全米ネットワークのCBS、ラジオ放送からの撤退を検討:ラジオ衰退の象徴?

全米三大ネットワークのCBSが、ラジオ事業の売却を検討していることが明らかになりました。

90年近くラジオ放送を行ってきたCBSが、ラジオ事業からの事実上の撤退を検討しているということで、ロサンゼルス・タイムズは「一つの時代が終わろうとしている」と報じています。

CBSのCEO「戦略的な選択肢を検討中」

CBSのレスリー・ムーンベスCEOは、投資家向けの世界の中で、「CBSの株主価値向上のため、ラジオ事業の今後についてはあらゆる戦略的な選択肢を検討している。かつて看板広告の事業を売却した時と同じようにね」と述べました。

その一方、「オンラインコンテンツの事業を大きく伸ばしていきたい」としており、CBSが運営する有料オンデマンド、「CBS All Access」でのオリジナルコンテンツの独占配信事業を強化していきたいと述べています。

88年間ラジオ放送を行ってきたCBS:近年は広告も減少

CBSがラジオ放送を開始したのは1928年。現在では全米で117局のラジオ局を所有して放送事業を行っており、全米最大のラジオネットワークの一つとなっています。(視聴可能人口は約700万人)

そんなCBSですが、2015年の第4四半期決算ではラジオ事業の売上高が5%減少したことが発表されていました。売上高の減少理由について、CBS側は、「企業や、政治団体、及び政治家のラジオ広告収入が減少しているためと説明しています。

2014年以降、CBSはこれまで所有していた14にも及ぶラジオ局の売却を済ませており、ここ数年ラジオ放送事業を縮小してきましたが、ラジオ事業の完全売却が決まれば、90年近い歴史を誇ってきたCBSのラジオ放送の歴史に、完全にピリオドが打たれることになります。

ロサンゼルス・タイムズは「今回のニュースは、広告全体がオンラインにシフトする中で、ラジオがもはや産業として成長することはもうないということを明確にした象徴的なニュースとなった」と報じています。

参考記事

http://www.nytimes.com/2016/03/16/business/media/cbs-looks-to-exit-radio-business.html?_r=0

http://www.latimes.com/entertainment/envelope/cotown/la-et-ct-cbs-announces-cbs-radio-sale-20160315-story.html

http://www.hollywoodreporter.com/news/cbs-explore-sale-spinoff-radio-875818

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石田 健

石田 健

株式会社マイナースタジオ代表取締役CEO。同社を創業後、2015年に株式会社メンバーズ(東証一部)に企業売却。早稲田大学政治学研究科修士課程修了(政治学)。Twitter : @ishiken_bot