Vice、カナダにも「Viceland」を開局:カナダ最大の通信会社と提携

公開日 2015年11月26日 11:24,

更新日 2022年09月15日 10:30,

無料記事 / アメリカ(北米) / スタートアップ

先日、ケーブルテレビへの進出を発表したばかりのViceですが、カナダでもケーブルテレビでの放送を来年に開始することが発表されました。

先日のアメリカでのVicelandの開局を発表した際、「これは世界中に我々のネットワークを形成するための第一歩に過ぎない」と語っていたCEOのShane Smith氏ですが、早くもそこから一歩先へと踏み出した格好です。

現地通信会社と提携、カナダ独自の放送編成を計画

カナダでケーブルテレビの放送事業や、携帯電話事業を行っている「ロジャーズ・コミュニケーションズ」(以下ロジャーズ)は、2014年の10月に、Viceとパートナーシップを組み、Viceに対して、テレビやモバイルディバイス通じたViceのコンテンツ配信、コンテンツへの投資を柱とした、三年間の契約を結んでいました。

今回、ロジャーズは、自社が所有するテレビチャンネル「The Biography Channel」の放送を終了し、2016年の冬から、Vicelandの放送を開始します。具体的な日程はまだ明らかにしていません。

トロントにスタジオも開設

また、今回の開局に合わせ、トロントに「VICE Canada production」の専用スタジオも開設されます。

この専用スタジオを拠点に「見過ごされがちな問題や話題を取り上げる番組を制作する」として、9つの「Viceカナダオリジナルシリーズ」の番組が放送されます。具体的には、先日の記事でも取り上げた「Gaycation」や、今回新たに発表された「Cyberwar, RISE」などがViceカナダで制作される予定となっています。

また、アメリカのVicelandでは制作しないとしていた報道番組もカナダでは制作するとしており、「アメリカのVicelandとは異なるチャンネルになる」と明言しています。

元々はカナダの新興メディアだったVice

カナダにも開局することになったViceladですが、これを単なるグローバル戦略と捉えるのは間違いかもしれません。Viceは元々モントリオールで誕生したパンク雑誌だからです。

Viceの設立たちは全員がアメリカ国籍ではなくカナダ国籍を持っており、CEOのShane Smith氏もカナダのオタワで生まれ育ち、オタワのカールトン大学を卒業しています。

先週カナダの新首相に就任したジャスティン・トルドーにも、3月にインタビューを行っています。

Viceカナダが制作した動画も多数ありますし、Viceがカナダに進出するのはある意味ではとても自然な流れだといえます。

Vicelandもカナダを足掛かりに世界に広がっていくのでしょうか?

参考記事

http://www.theguardian.com/media/2008/mar/30/pressandpublishing.tvandradioarts?gusrc=rss&feed=media

https://www.linkedin.com/in/shanesmithvice

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✍🏻 著者
編集長
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。日テレ系『スッキリ』月曜日コメンテーターの他、Abema TV『ABEMAヒルズ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説をおこなう。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジア、テクノロジー時代の倫理と政治など。わかりやすいニュース解説者として好評。
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