先日、ケーブルテレビへの進出を発表したばかりのViceですが、カナダでもケーブルテレビでの放送を来年に開始することが発表されました。
先日のアメリカでのVicelandの開局を発表した際、「これは世界中に我々のネットワークを形成するための第一歩に過ぎない」と語っていたCEOのShane Smith氏ですが、早くもそこから一歩先へと踏み出した格好です。
現地通信会社と提携、カナダ独自の放送編成を計画
カナダでケーブルテレビの放送事業や、携帯電話事業を行っている「ロジャーズ・コミュニケーションズ」(以下ロジャーズ)は、2014年の10月に、Viceとパートナーシップを組み、Viceに対して、テレビやモバイルディバイス通じたViceのコンテンツ配信、コンテンツへの投資を柱とした、三年間の契約を結んでいました。
今回、ロジャーズは、自社が所有するテレビチャンネル「The Biography Channel」の放送を終了し、2016年の冬から、Vicelandの放送を開始します。具体的な日程はまだ明らかにしていません。
トロントにスタジオも開設
また、今回の開局に合わせ、トロントに「VICE Canada production」の専用スタジオも開設されます。
この専用スタジオを拠点に「見過ごされがちな問題や話題を取り上げる番組を制作する」として、9つの「Viceカナダオリジナルシリーズ」の番組が放送されます。具体的には、先日の記事でも取り上げた「Gaycation」や、今回新たに発表された「Cyberwar, RISE」などがViceカナダで制作される予定となっています。
また、アメリカのVicelandでは制作しないとしていた報道番組もカナダでは制作するとしており、「アメリカのVicelandとは異なるチャンネルになる」と明言しています。
元々はカナダの新興メディアだったVice
カナダにも開局することになったViceladですが、これを単なるグローバル戦略と捉えるのは間違いかもしれません。Viceは元々モントリオールで誕生したパンク雑誌だからです。
Viceの設立たちは全員がアメリカ国籍ではなくカナダ国籍を持っており、CEOのShane Smith氏もカナダのオタワで生まれ育ち、オタワのカールトン大学を卒業しています。
先週カナダの新首相に就任したジャスティン・トルドーにも、3月にインタビューを行っています。
Viceカナダが制作した動画も多数ありますし、Viceがカナダに進出するのはある意味ではとても自然な流れだといえます。
Vicelandもカナダを足掛かりに世界に広がっていくのでしょうか?
参考記事
http://www.theguardian.com/media/2008/mar/30/pressandpublishing.tvandradioarts?gusrc=rss&feed=media
https://www.linkedin.com/in/shanesmithvice