2011年、ミレニアル世代をターゲットにしてスタートしたオンラインメディア「Mic」。
開設から4年ほど経った現在では、月間2000万人の訪問者がいる(2015年8月の数字)オンラインメディアとなっています。また、アクセスしている読者の73%は35歳以下となっており、まさにミレニアル世代を中心に成り立っているメディアであるといいえます。
そんなMicですが、ここ最近、他社からの引き抜きが目立つようになりました。来年に行われるアメリカの大統領選挙に向けて、報道体制を強化していると見られています。
元ワシントン・ポストのデジタルコンテンツ部門担当者を戦略担当に起用
来年に向けてMicが最初に行った引き抜きは、ワシントン・ポストでモバイルアプリをはじめとするデジタルコンテンツの開発、及びウェブサイトの統括など、ワシントン・ポストデジタルコンテンツ全体の責任者だったCory Haik氏です。
先日、ワシントン・ポストのウェブサイトのユニークビジター数はニューヨーク・タイムズを追い抜いたということが話題になりましたが、このワシントン・ポスト躍進の陰の立役者だったのが、Cory Haik氏でした。
Haik氏は、Micの「チーフ・ストラテジー・オフィサー」に就任し、コンテンツの開発から成長戦略まで、Micをメディアとして成長させていくために、様々な部分を総合的に総括する役職になると見られています。
Micの編集部に起用された2人のジャーナリスト
編集部にも、新たに2人のジャーナリストが迎えられました。
1人目は、「New York Daily News」の記者だったCeleste Katz氏。New York Daily Newsでは、政治記者としてニューヨーク市議会や州議会、そしてワシントンの情報を伝えてきました。Micでは、来年の大統領選挙や上下両院の議会選挙、そしてミレニアル世代にとって重要な選挙争点についての報道を担当します。
もう1人は、フェミニスト系のオンライメディア「Feministing.com」の元エクゼクティブエディターだったSamhita Mukhopadhyay氏です。Mukhopadhyay氏は、全米ビジネス女性会議、アメリカ自由人権協会での勤務経験もあります。
Micはこれまで社会的少数者(女性、有色人種のアメリカ人、移民、アメリカ先住民、障害者など)に力を入れてきたこともあり、この分野に強いMukhopadhyay氏を起用しましした。Micでは主に、人種問題、ジェンダー、セクシュアリティに関する報道など、多様なバックグラウンドを持つアメリカのミレニアル世代が、高い関心を持っているといわれているマイノリティの社会問題を担当します。
Micは「政治や政策、社会的少数者に対する報道はMicのDNAとなってきた部分であり、その分野を強化するのは当然です。同時にMicが得意とするこれらの分野は、大統領選挙でも重要な話題になってくると思います」と、自信を見せています。
ミレニアル世代を対象としたメディアとしては、「ELITE DAILY」などと比べると、どうしても存在感の薄さが否めない部分もあるMicですが、来年の大統領選挙では存在感を出すことはできるのでしょうか?
参考記事
http://www.huffingtonpost.com/entry/hiring-spree-continues-at-mic-with-additions-to-policy-identities-teams_567178f2e4b0688701dba695
http://recode.net/2015/12/14/mic-gets-a-washington-post-exec-to-help-it-grow-and-grow-up/
https://www.linkedin.com/in/cory-haik-5752488
http://digiday.jp/publishers/washington-post-leapfrogged-new-york-times-web-traffic/
http://digiday.com/publishers/meet-woman-whos-driving-digital-experimentation-washington-post/