ディズニー、ミレニアル世代向けのテレビ局Fusionの売却を検討:売却先はスペイン語メディアのユニビジョン

公開日 2015年12月27日 00:29,

更新日 2021年10月15日 19:46,

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「アナと雪の女王」の世界的大ヒットや、先週末に全世界で一斉公開された「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が記録的大ヒットになるなど、映画の事業が最近好調なディズニー。

日本ではテーマパークや映画のイメージが大変強いディズニーですが、ケーブルテレビ局の「ディズニーチャンネル」を世界展開し、アメリカ三大ネットワークのひとつである ABCテレビや、スポーツ専門チャンネルESPNの親会社でもある、世界最大のメディア企業としての顔を持っています。

そんなディズニーですが、自社で運営するミレニアル世代向けのテレビ局Fusionの売却を検討しているとの報道がありました。

フィナンシャル・タイムズによりますと、Fusionをディズニーと共同で運営するメディア会社「ユニビジョン」に完全に売却する方向で交渉が進んでいると見られています。

2013年に開局した「Fusion」:ミレニアル向けのメディアとしては結果残せず

Fusionは、ディズニーとユニビジョンが共同出資して2013年に開局したケーブルテレビ局です。

ユニビジョンは、アメリカでスペイン語を話すヒスパニックの人々を対象としたスペイン語放送を行うテレビ局の運営会社として知られていますが、ユニビジョンが英語を母語にするヒスパニック二世(ミレニアル世代)を対象とした英語放送局として、ディズニーと提携して開局したのが「Fusion」でした。

しかし、開局後間もなくその方針を転換し、民族的バックグラウンドに関係なく、全てのミレニアルをターゲットにした放送局になります。

エミー賞受賞歴のあるジャーナリストのある番組を放送したり、スナップチャットのディスカバリーに動画コンテンツを提供するなど、一定の評価もあげていました。

しかし、視聴率の面では良い結果を残しているとはいえませんでした。また、ウェブサイトや動画をはじめとするデジタルコンテンツも、コムキャストが出資するVOXやバズフィードに苦戦を強いられていました。

Viceへの投資やテレビ局のリニューアルでミレニアルの取り込みを狙うディズニー

そもそも、ディズニーはFusion以外にもミレニアル世代に向けたコンテンツを所有しています。来年にテレビ局を開設するViceに出資しているほか、ミレニアルもターゲットにしたエンターテイメント専門のケーブルテレビ局ABCファミリーは来年、「フリーフォーム」としてリニューアルされる予定です。

Fusionを手放しても、ディズニーにはまだミレニアルを取り込めるコンテンツがあるのです。

ユニビジョンに取ってはメディア企業として躍進するチャンス?

一方、ユニビジョンにとっては、Fusionの買収はメディア企業として成功するチャンスといえます。

ヒスパニック向けのスペイン語放送を主軸としてきたユニビジョンですが、最近では、アフリカ系アメリカ人をターゲットにしたオンラインメディアThe Rootsを買収するなど、ヒスパニック以外の層を取り込むための動きを加速させています。

ディズニーとユニビジョンは、今回の買収に関する正式なコメントを出してはいませんが、今回の報道を受け、年明けに具体的な発表が行われる可能性もあるのではないかと個人的には思います。

参考記事

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ec752c9c-a8f9-11e5-955c-1e1d6de94879.html#axzz3vBldwPvD

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著者
編集長
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。Abema TV『ABEMAヒルズ』、日テレ系『スッキリ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説をおこなう。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジア、テクノロジー時代の倫理と政治など。
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