朝鮮半島、高まる緊張の背景とシナリオ [ニュース解説]

政治・国際関係

公開日 2017/04/15 07:23,

更新日 2017/04/15 07:23

無料記事

朝鮮半島で緊張が高まっている。14日には、中国・王毅外相が「取り返しのつかない事態に陥るのを防ぐ必要がある」と述べた一方、 北朝鮮の韓成烈外務次官は「アメリカが選択すれば、わたしたちは戦争する」と発言

背景・経緯

  • 北朝鮮はトランプ新政権がスタートしてから、金正男氏暗殺や弾道ミサイル開発などで国際社会を挑発。
    アメリカとの交渉で、核開発や金正恩政権の維持を認めさせる狙いか。
  • これに対してトランプ政権は、強気の姿勢。「中国が北朝鮮に対応しなければ、アメリカが行動する」と、軍事行動も示唆。
  • シリアへの攻撃実施という「サプライズ」は、北朝鮮へのメッセージも。

現状

  • アメリカの警告がある中、北朝鮮の核関連施設では活発な動き。15日に核実験の観測も。
  • 北朝鮮が核実験を強行すれば、朝鮮半島に駆逐艦を派遣しているアメリカが先制攻撃の可能性も。

影響・今後のシナリオ

  • 最悪のシナリオは、核実験強行からのアメリカによる先制攻撃。朝鮮半島で武力行使が起これば、1954年の休戦協定以来。

北朝鮮は報復リスク、アメリカによる先制攻撃の可能性は低い

  • しかし、アメリカが現時点で先制攻撃をする可能性は低い。シリアなどと異なり北朝鮮は報復行為に至る危険性があり、その場合は韓国など同盟国が脅威にさらされ、アメリカ自身のリスクも大きい。
  • 1990年代にも、アメリカは報復リスクから北朝鮮への軍事行動を断念。
  • 現在のところ、最悪のシナリオは想定しづらい。しかし北朝鮮が強気に出続けた場合、アメリカも「振り上げた拳」を降ろせなくなる。

この記事は、ライセンスにもとづいた非営利目的のため、あるいは社会的意義・影響力の観点から無料で提供されているコンテンツです。

良質なコンテンツを取材・編集して翻訳を届けるため、コンテンツをサポートをしてくださいませんか? みなさまの有料購読は、良質な記事をライセンスして届けるための重要な収益源になります。

月額3,200円で有料購読をはじめる
著者
株式会社マイナースタジオ代表取締役CEO。同社を創業後、2015年に株式会社メンバーズ(東証一部)に企業売却。早稲田大学政治学研究科修士課程修了(政治学)。関心領域は、メディア論や政治思想など。Twitter : @ishiken_bot
おすすめの記事
テック, メディア

2019年、中国メディア市場の動向:ByteDanceの躍進と注目のOOH

有料記事

中国の調査会社R3によるメディアレポート「China Media Inflation Trend Report」が11月21日に公開された。TikTokなどを展開するByteDanceらの躍進に注目が···
石田 健
政治・国際関係

ニュース解説:カリフォルニア州雇用法案AB-5の成立は、「搾取との闘い」か?

有料記事

9月18日、米カリフォルニア州で、ギグ・エコノミーの労働者をこれまでの「独立した請負労働者」ではなく、「従業員」として再分類する可能性のある法案が成立した。2020年1月1日より施行予定の同法案は、上···
塚本 大
政治・国際関係

ナイジェリア国民、南アフリカから一斉退避:その背景は?

有料記事

南アフリカの最大都市ヨハネスブルクや首都プレトリアなど起きた移民排斥を背景とする暴動によって、アフリカの二大経済大国であるナイジェリアと南アフリカに緊張が生じている。暴動が激化する中、9月9日にナイジ···
石田 健
政治・国際関係

なぜ平和の少女像を「日本国民の心を踏みにじる行為」と感じる人びとがいるのか?

無料記事

国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の企画「表現の不自由展・その後」をめぐって、現在も議論が続いている。混乱の発端には、平和の少女像の存在もあった。一部の政治家は、平和の少女像が展示されることを···
石田 健
政治・国際関係

フェミニズムとは何か?:なぜ女性の権利ばかりが主張されるのか

無料記事

わたしたちは、フェミニズムの時代に生きている。フェミニズムを時代性やブームのように捉えることに異論はあるかもしれないが、#MeTooムーブメントや韓国の書籍『82年生まれ、キム・ジヨン』のベストセラー···
石田 健
編集長より

職が減っていく文系院生は、今後いかにサバイブしていくべきか

無料記事

将来を有望された研究者が、自ら命を絶つという痛ましい事件が話題を集めた。「家族と安定がほしい」心を病み、女性研究者は力尽きた:朝日新聞デジタル下記記事にある通り、この事件は経済的困窮を苦にしただけでな···
石田 健
政治・国際関係

ポリティカル・コレクトネスの時代とその誤解:なにが「ポリコレ疲れ」を生んでいるのか?

無料記事

アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが勝利したことは、全世界で多くの衝撃を持って受け止められている。なぜトランプが勝利したのか?あるいは、なぜ事前調査で優勢と見られていたヒラリー・クリントンが敗北し···
石田 健
政治・国際関係

文化の盗用とは何か:所有/簒奪という二項対立を乗り越える

無料記事

文化の盗用、あるいは文化の簒奪と訳される「Cultural Appropriation」という概念が注目を集めている。6月25日、アメリカの著名セレブであるキム・カーダシアンが「Kimono」と名付け···
石田 健
政治・国際関係

ニュージーランドの移民政策:経済的事情とリベラルな国家、そして移民抑制

無料記事

十分な時間が経過していないため、断定することは危険性があるものの、白人至上主義者によるムスリムを標的としたヘイトクライムという見方が強まっている。この事件を理解するためには、ニュージーランドの移民政策···
石田 健