Amazonが米フードデリバリー企業のOloと提携、「Amazon Restaurants」サービスに注力か

公開日 2017年09月23日 15:56,

更新日 2022年09月15日 10:24,

無料記事 / アメリカ(北米) / ビッグテック

ECやクラウドサービス、動画・音楽配信サービスなど、様々な事業分野で驚異的な成長を続けているAmazonですが、このたびオンラインフードデリバリーサービスを手がけるOlo社と提携することをロイターなどが伝えています。

食品配送スタートアップのolo

Oloはニューヨークに拠点を置く2005年創業の食品配送スタートアップで、Cipotle(チポトレ)やApplebee(アップルビー)などの人気チェーンを含む200以上のレストランブランドについて独占的なネットワークを展開しており、米国内に4万以上の拠点を持っています。

米国のフードデリバリーサービス業界では近年、グラブハブやドアダッシュといった専業ベンチャーに加えて他業界の成長企業が参入してきています。特にオンライン配車サービスのUberが手がけるUber Eatsは、2014年のサービス開始から複数の国でサービスを急速に拡大しています。

Amazonも、2015年からは飲食店の料理を1時間以内に宅配するサービス「Amazon Restaurants」をニューヨークやシカゴ、シアトルをはじめとした米国の20都市で展開しています。

狙いは、全米規模のレストランネットワーク

しかし、米テックメディアTHER VERGEによると、同サービスは大手チェーンの取扱実績に乏しく、イタリアンレストランの「ブッカ・ディ・ベッポ」が最初の、かつ唯一のパートナーであると伝えています。今回の提携は、そうした自社では構築が難しい全米規模のレストラン・ネットワークを保有するOloの協力を得ることで、フードデリバリー事業を急成長させるためのものと思われます。

今回の提携発表を受けて、ドミノ・ピザに次いで米国のフードデリバリーサービスで2番目のシェアを誇るグラブハブの株価がマイナス5.8%と大幅な下落を見せており、今後も動向が注目されます。

ちなみに、日本国内ではAmazon Resatulantsのサービスは展開されていませんが、オンライン出前サービス大手の「出前館」がamazonのアカウントで注文・支払いが可能になる「Amazonログイン&ペイメント」に対応しており、間接的にではあるもののフードデリバリー事業に関わりを持っています。

国内サービスで先行しているUber Eatsが着実にエリアを拡大していることからも、今後Amazon Restaulantsのサービスが日本に参入してくる可能性もあるかもしれません。

本記事は、ライセンスにもとづいた非営利目的、あるいは社会的意義・影響力の観点から無料で公開されているコンテンツです。良質なコンテンツをお届けするため、メンバーシップに参加しませんか?

いますぐ無料トライアル

または

メンバーシップについて知る
✍🏻 著者
編集長
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。日テレ系『スッキリ』月曜日コメンテーターの他、Abema TV『ABEMAヒルズ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説をおこなう。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジア、テクノロジー時代の倫理と政治など。わかりやすいニュース解説者として好評。
最新情報を受け取る

ニュースレターやTwitterをチェックして、最新の記事やニュースを受け取ってください。

🎀 おすすめの記事

わたしたちについて

🔥 いま読まれている記事