The HEADLINEでもYouTubeチャンネルを開設しているが、加熱するYouTubeビジネスはどこに向かっていくのだろうか?
5Gが本格化する中、動画ビジネスはますます伸びていきそうな気もするが、一方ではYouTubeのマネジメント・ビジネスに懐疑的な声も聞かれる。
今回は、国外MCNの凋落、そしてUUUMの成功からYouTubeビジネスの未来について考えていこう。
「MCNは死んだ」
YouTubeに詳しい人ならば常識かもしれないが、国外では2017年ころから「MCNは死んだ」と言われることが多くなった。MCNとはマルチチャンネルネットワークのことで、YouTuberのマネジメントや制作・配信などサポートする組織のことを指す。日本でいうと、UUUMやVAZなどがMCNに当たる。
国外ではMaker StudiosやAwesomenessTVなど大手MCNの苦境が伝えられるが、一方でUUUMの2019年5月通期決算は、売上が197億円(前年同期比+68%)と急成長を遂げている。
日本でも2020年の5G開始を前にして、嵐やSixTONESなどのジャニーズ事務所、中田敦彦、本田翼など大物芸能人が次々とYouTubeに参入して、本格的なマスメディア化を迎えようとしている。動画ビジネスが花開くことは自明なことに思えるが、ならばなぜMCNは死んだのだろうか?
大手MCNの苦境
2009年に設立されたMaker Studiosをはじめ、2011年のFullscreen、2012年のAwesomenessTVなど、著名MCNは2010年前後から乱立するようになった。2005年にYouTubeがスタートしてから、わずか5年で多くのMCNが登場していることに驚きも感じるが、これらはプラットフォームの急成長とともに爆発的な伸びを見せていた。
中でもMaker Studiosが2014年に、ディズニーより5億ドル(約570億円)で買収されることが決まると、MCNへの期待は最高潮に達した。この年は、AmazonがTwitchを買収しており、総じて動画プラットフォームへの期待が高まった1年だったが、ディズニーもMaker Studiosの短編オンライン動画のノウハウを積極的に活用していくことを宣言していた。
しかし2016年にかけて風向きは変わってくる。Maker Studiosの買収を主導した幹部はディズニーを退社、同社のトップYouTuberだったPewDiePieが人種差別やホロコーストをネタにする言動が批判されてディズニーとの契約が解除された数日後、レイオフをおこなった。 おなじくFullscreenとStylehaulは2017年に、AwesomenessTVは2018年にレイオフに直面するなど、トップMCNが次々とレイオフに直面したのだ。
原因は
MCNが凋落した原因は、YouTubeの成熟化とMCNのコスト構造だと理解されている。