2007年の創刊以降、アメリカの大統領選挙や、アメリカ議会の動向をワシントンから発信し、急成長を遂げた政治専門の新興メディアPolitico。
そんなPoliticoが、ヨーロッパでの事業を本格的に拡大していくことを発表しました。
EU版Politicoの成功
元々ワシントンを拠点としていたこともあり、「ワシントンの情勢に特化したメディア」というイメージを持たれがちなPolitico。今年4月には、初の国際版となるEU版のPoliticoのニュースサイトを開設しています。
このEU版サイトは、ベルギーのブリュッセルの本社から運営し、EU圏内の政治情勢を英語で発信してきました。
これまでの7ヶ月
EU版の編集部が全社員宛てに送られたとみられるメモでは、これまでの歩みが以下のように振り替えらえています。
これまでアメリカのことしか追ってこなかったメディアに、ヨーロッパの政治のことなど分かるのか?また、EUの政治情勢に関心のある読者層などいるのか?と開設前には散々言われたが、この七か月間、我々はギリシャ危機から難民問題に至るまで、あらゆる分野で最前線の報道を続け、今では100万人以上のユニークビジターがいるサイトに成長した
新たにロンドン支局を開設
そんな彼らですが、2016年にはEU版Polticoに、ロンドン支局が開設されます。
ロンドン支局長には、ウォール・ストリート・ジャーナルで国際金融の記者を担当していた、Francesco Guerrera氏が就任します。Guerrera氏は2008年、フィナンシャル・タイムズの記者時代に、リーマンショックの取材もしています。
デジタルコンテンツ部門も拡充
ロンドン支局の開設と同時に発表されたのが、新たなEU版Politicoにおける「論説員&成長戦略担当」の就任です。この重役を担うのは、デイリー・テレグラフのデジタルコンテンツ部門のディレクターをしていたKate Day氏です。
Day氏が就任したことによって、EU版Politicoはこれから動画等のコンテンツに力をいれていくことが予想されます。
長期的な視点で報道を
来年は政治や政策、金融、農業等の分野の報道に力を入れたいとして明らかにしているEU版。
「政治家のスキャンダルにばかり重点を置くヨーロッパの既存メディアとは違う、長期的な視点で報道ができるジャーナリズムを目指していきたい」としています。
Politicoは2020年までに「主要国の全首都から発信できる体制を整えたい」としており、EU版の今回の動きも、こうした目標に基づいた事業展開であるといえます。
参考記事
http://digiday.com/publishers/politico-outlines-plans-double-size-europe-starting-london-hires
http://www.huffingtonpost.com/entry/politico-expansion-states-capitals-2020_56058da0e4b0768126fd652f