週刊イシケンニュース#043 ワールドカップのダークサイド / なぜ48カ国も参加? / 腐敗の改革者から疑惑の権力者へ / ジャンニ・インファンティーノの策略
概要
石田健 株式会社リバースタジオ代表取締役。日テレ系『DayDay.』コメンテーター、フジテレビ系『Mr.サンデー』、TBS系『Nスタ』、同『サンデー・ジャポン』、テレ朝系『ビートたけしのTVタックル』など出演。近著に『カウンターエリー... 続きを読む 閉じる
石田健
株式会社リバースタジオ代表取締役。日テレ系『DayDay.』コメンテーター、フジテレビ系『Mr.サンデー』、TBS系『Nスタ』、同『サンデー・ジャポン』、テレ朝系『ビートたけしのTVタックル』など出演。近著に『カウンターエリート』(文藝春秋、2025年)。早稲田大学政治学研究科修了(政治学)。
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出演 - 金子侑輝
企画/構成 - 金子侑輝
撮影/編集 - 株式会社リバースタジオ
#ニュース解説 #イシケン #ニュース
トランスクリプト
※ 音声をもとに読みやすく整えた内容のため、発言とテキストが完全に一致しない場合があります。こんにちは、ヘッドラインの金子です。今週でおそらくこのフォーマットでのニュース解説は最後になるんじゃないかなと思います。ということで、今週は石田さん、馬場根さんもちょっといないんですけれども、来週に向けてちょっとリニューアルの準備中ということで、今週はちょっと短めにニュースをお届けしたいと思います。よろしくお願いします。ということで、えーと、今週はもうあんまりなくて、いや、本当はあるんですけど、あのAIの話とかっていうのはたくさんあるんですが、まあちょっとAIも毎週やってるので、ちょっとあの、先週のエンディングでちらっと話していたワールドカップのダークサイドって言ってるんですけど、えーまあその辺の話を今日はお届けしたいなと思います。まああの、本戦があーこの間開幕をしたワールドカップで日本も初戦を終えました。オランダとの試合は引き分けたということでしたけれども、まあその中でこういう話をするのは若干気が引けるところもあるんですが、まあ大会盛り上がっている中に水を差すなという話なんですが、まあ一応あの、やっていきたいなと思います。ということで、えーと、今日お話しするのは今のFIFAの会長のお話です。えー、あんまり多分、なんかスポーツ系の報道とかをよく見ている人ならご存知かもしれないですけど、多分日本の今のワールドカップの報道とかを見ていると、多分あまり出てきていないっていうところかなと思います。あの試合の中継なんかを見ていると、試合を見に来ている様子っていうのが映り込んだりはしているんですけど、まあそのぐらいの程度で、あのあんまり大きく取り沙汰されることはないので、えーまあ初めて聞くよっていう人もいるかもしれないですが、まあお付き合いいただければなと思ってます。
はい。ということで、FIFA会長、今ジャンニ・インファンティーノという人がやっています。このおじさんですね。
はい。で、この人はえーと、もともとスイス生まれのイタリア系の人です。で、スイスとイタリアの国籍を両方持っていて、話している感じは結構イタリア語ネイティブなのかなという感じがする人です。で、もともと弁護士として働いていて、その後FIFAの、FIFAというか、その前がUEFAですね。ヨーロッパのサッカー連盟、欧州サッカー連盟で複数の役職を歴任した後に、二千十六年から今のFIFAの会長を務めているという人物になります。で、彼がこの十年間でどのような改革をしてきたのか、そしてその中でどのようにFIFAを変えたのか、そしてFIFAが現在どのような批判にさらされているのか。この辺を主な、この辺を主に今日はちょっと見ていきたいというふうに思います。
はい。ということで、まずこのインファンティーノ会長は就任の仕方がものすごく独特な人でした。
遡ること十年以上前ですね。二千十五年にFIFAはあるスキャンダルに見舞われます。当時の会長だったブラッター氏含め、えー、贈収賄、詐欺、マネーロン、マネーロンダリング、組織犯罪を含む大規模な汚職というのが次々と発覚し、大規模な捜査が入りました。二千十五年のことです。ブラッター会長自身も関与していたとして辞任を表明しました。
そこで彼は、ブラッター氏は、ブラッター氏はもともと千九百九十八年ぐらいかな、からずっと二千十五年ぐらいまで、長きにわたって、もう二十年弱ぐらいにわたってFIFAの会長を務めていた人物でした。そういった人物がみんな辞めたということで、じゃあ次の会長を選ぶという話になります。そこで選ばれたのが今の会長のインファンティーノということになります。当初、本命はアジアサッカー連盟の会長だったり、当時のFIFAの副会長かな?とかが、まああの対立というか競争の候補として出ていたんですが、その本命ではなく、このインファンティーノ氏が選ばれたという経緯になります。詳しいところは僕もわからないですが、おそらくFIFAとしても刷新感を出したいというような、そういったニュアンスもあって、これまでのような形ではなく、新顔としてリニューアル感を出すために、あまり本命にされていなかったようなインファンティーノ氏というのを会長に選んだという側面もあったのではないかなと思います。それはさておき、会長に選ばれたインファンティーノ氏は、素早くFIFAの改革を進めていきます。
はい。例えば、えー、このブラッター前会長っていうのが、先ほど二十年近くにわたって会長をやっていたと言いましたが、それがあまりに長すぎる、それが組織の腐敗につながった一因だということを受けまして、役職の任期っていうのを三期まで、一期四年の三期で十二年ぐらいまでで抑えようという任期の制限をつけた。そういったルールを制度上設けたっていうところが一つ。それから、理事会ですね。この理事会のメンバーに女性六人以上を含む評議会に置き換えたりして、していったと。そういった形で機能っていうのを分離させたり、政治的機能と経営的機能というのを分離させたりとか、会長とか理事の、理事の報酬っていうのを開示するようにしたりとか、独立したチェックを導入しますとか、そういった形でFIFAを組織的にどんどんクリーンにしていくための改革っていうのを行っていく、いく形になります。これによってですね、今ここ出ているんですけれども、FIFAの年間収益というものが出ています。これですね、ちょっと数字入ってないんでわかりにくいんですけど、これ二千十五年からの数字を出してるんですが、二千十四年のワールドカップの次の年のこの二千十五年、十六年と、これ大きく収益をFIFAは減らしているんですね。これはやはりスポンサーの撤退、先ほど言った汚職事件が相次いだが、大規模に摘発されて信用を失ったことによるスポンサーの撤退というのが大きく影響しています。
なので、インファンティーノとしては、まずスポンサーを取り戻すこと、信用を取り戻すこと、これを狙って、先ほど言ったような改革というのを次々と行い、二千十八年には大きく収益を伸ばすことに成功します。はい。で、その後ですね、彼は次々とまた新しく、その上げられた、その二千十八年に大きく上げた収益を使って、各エリアですね、アジア、北米、アフリカ、南米、ヨーロッパ、オセアニアと、この辺のFIFAを構成している加盟国のその各エリアですね、その各エリアに対して上がった収益っていうのをどんどん分配していったんですね。これは各国からかなり歓迎された政策、施策でした。というのも、それは加盟国、加盟国のそのエリアのメンバーとしては、お金をもらえるのは当然嬉しいわけです。
これによって、例えば今大会初出場を果たしているカーボベルデなんかは、新しくスタジアムをナショナルスタジアムを立派なスタジアムの建設にその資金を投じることができましたし、その他の国もユースプログラムをたくさん開催するなどして、若手選手の育成なんかにもどんどんそういったお金を投じることができるようになったということで、かなりここまではインファンティーノ氏はかなり順調に改革を進めていたというふうに見られています。ただ、これは見方を変えると、彼の彼に対する権力を集めるための改革だったという言い方も同時に言えるかと思います。それはつまり、FIFAの会長というのは、加盟国、FIFAの加盟国の選挙で選ばれるんですが、一加盟国一票ということになっているので、これをどんどんですね、いわばその票をどんどんお金を分配して買うという言い方もできてしまうということですね。加えて、先ほど言ったその投資の話だけではなく、彼はですね、今やっているのは、今行われているのは男子のワールドカップですけれども、女子のワールドカップというのもFIFAは行っていますし、FIFAはクラブワールドカップというのも行っていますが、このそれぞれについて加盟国を増やしています。女子はもともと二十四だったのをインファンティーノの改革によって三十二に増やして、男子も三十二だったのを今大会四十八に増やして、FIFAクラブワールドカップももともと一桁ぐらいだったのを二、三十ぐらいかなぐらいまで参加国参加球団っていうのを増やしています。これによってですね、何が起きるかというと、もちろん収益は上がります。FIFAは放映権を売ることができるので、参加する国が増えれば増えるほど放映権を売る相手も増えるということで収益は上がります。で、かつ加盟国参加国としても、自分たちがそこにアクセスできる、本大会にアクセスできる、出場できるっていうところのインセンティブが上がるので、同時にこれはインファンティーノの改革に対しては非常にありがたいというふうな動機に理由になるわけですね。そうしていくと、より一層インファンティーノ氏は自分に権力を集中させて、次の任期に向けてどんどんどんどん支持基盤を固めていくことができるというわけですね。はい。で、そのそれが表しているように、二千十八年の大会は非常に収益を上げて、二十二年の大会、カタールですね、カタールでの大会も収益アップに成功しています。で、今回の二千二十六年大会も、まだ今年は決算終わってないので予測ですけれども、これだけ収益が伸びる予想です。もっと伸びるとも言われています。これはあくまで予測なのでわからないですが、過去最高の収益を記録するのではないかというふうに言われています。こうしてですね、スポンサーを取り戻し、加盟国からの支持も取り付けていったインファンティーノ氏ですが、ここまでは順調に進めていったというふうに思われがちですけれども、この後ですね、インファンティーノ氏は、自分が当初進めていた改革を巻き戻すような動きというのを見せ始めます。まず一つがあれですね、独立倫理委員会を廃止するという政策を打ちます。この他にもですね、独立委員会を骨抜きにするための決議を押し通したりですとか、就任直後にパナマ文書に名前が出たっていう話はあったんですが、その後ですね、三選禁止、ごめんなさい、三選までと、会長の職は三選までにするっていう話、さっきありましたけれども、そこをそのルールを覆すような指示っていうのを彼は今取り付けていますし、その次ですね。そうすると彼の任期は二千二十八年までに。えー、なるはずなんですが、彼は二千三十一年までの任期を目指すと今言って話をして、えー、それを進めようとしています。自分で改革して三期までと言ったにも関わらず、そのルールを自分から今度覆そうとしているというのが今の現状です。で、それはやはりですね、あの収益を上げるというところに、いー、こだわりがあるんだとは思います。えー、次回の大会というのは二千三十年、男子ワールドカップは二千三十年に行われます。史上初の三大陸六か国開催というのが予定されています。南米のパラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチンだったかな。で、えー、そこをはじめとして、アフリカのモロッコ、それからヨーロッパのスペインとポルトガル、ま、この辺りを開催国として、えー、また、あー、三、えー、確か参加国自体は今と変わらないんですが、あー、まあ盛り上がる大会にすると。で、その後ですね、二千三十四年かな。えー、そこまで行くと、おー、サウジアラビアで今度ワールドカップが行われる予定です。
で、それまでの間にですね、二千三十一年にもワールドカップの女子大会が、あー、行われる予定で、えー、そこでは、あー、今度三か国す--三か国がさらに増える予定です。まあこうしてですね、彼は、あー、現在の、おー、ま、人気だったりっていうのを、まあある種利用する形で自分の任期を伸ばし、さらに収益を上げようということを狙っているというふうに言われています。はい。まああの、一番よく最近で取り沙汰されたのは、今回、あの北中米三か国開催っていうところになるので、あのやはりトランプ氏との--トランプ大統領との蜜月というのが、あー、ありました。昨年ですと、あのFIFA平和賞のようなものを作ってですね、えー、トランプに授与して、これは何なんだということで、えー、まあかなり政治利用が、つ--あの、政治利用が過ぎるのではないかという話がありましたし、これは、あの、そのFIFA平和賞の設立と授与に関しては、えー、そのFIFAの他の理事のメンバーとかっていうのはほとんど知らされていなかったという報道もありました。つまり、インファンティーノ会長がかなり独断的に、えー、平和賞を設置し、授与したというところで、かなり強権的な振る舞いも目立つようになってきています。で、今回の開催をするにあたり、インファンティーノ氏はトランプ氏とかなりあの、頻繁に交流を重ねていました。まあ、もちろんその開催国のリーダーたちと、おー、しん-親密にして、親密にこう関係を深めていくっていうのは、まあFIFAの会長職としてはある種当然の仕事のようにも思えますし、それはこれまでも行われてきたわけですね。えー、ロシアの時にプーチン大統領のところに行って、えー、一緒に話をしたりとか、あー、カタールの時も、おー、カタール王室と、おー、かなり懇意にしたりですとか、えー、っていうのは確かにあったんですが、えー、トランプ大統領、えー、今年の、おー、頭に就任をした時の、その就任式に、実はインファンティーノ会長は同席していました。それを含めて、えー、中東、カタール、サウジアラビアでもトランプ氏と会談を重ねて、えー、今年に入って開催直前までの時期で、少なくとも五回はトランプと会っていたのではないかというふうに言われています。まあ、そういった、あー、トランプ氏との蜜月、なんかによっても、おー、一部批判を浴びてはいます。うー、が、あー、ただ、あー、そういった、ある種批判というのを利用する形で、彼はやはりこういうヨーロッパとか、あー、欧米の人たちっていうのは、自分たちをこう説教がましく、そういう価値観を押し付けてくるんだっていうようなアピールをすることによって、いわゆるグローバルサウスだったり、えー、そういったヨーロッパ的な価値観だったり、振る舞い、ダブルスタンダードへの不満を持っているような国々、ま、例えば、あー、それは中東かもしれないし、アフリカ諸国かもしれないですけど、ま、そういったところの支持を、逆にそれを利用して取り付けるっていうような振る舞いを、おー、したりしています。
ま、このようにしてですね、インファンティーノ会長というのは、あのー、ま、スキャンダラスな、あー、ところから始ま--会長に就任をし、スポンサーの信用を取り付けるために、えー、かなりの制度改革を行った人物として当初は台頭してきました。あー、しかしながら、あー、それはかなりの程度成功を収め、えー、大会の盛り上がり、FIFAの収益増加、あー、に、えー、かなりつながっている側面がありますが、えー、それを、おー、まあ前面に押し出す、う-裏でですね、えー、当初自分が進めていった改革っていうのを、まあ反故にしようとしている。ま、それを覆してですね、えー、またこう長期的な、あー、まあいわゆる政権のようなもの、長期政権をこう築こうとしている、ま、そういった動きっていうのも、あー、見られます。ま、こういったことによって、インファンティーノ氏というのは、あー、まあ強固な、あー、権力と、おー、強固な、ま、信用っていうのを勝ち取ることに、まあ今成功をしていますが、えー、まあこれによってですね、えー、過去にFIFAが犯した、あー、過ちっていうのが繰り返されないのかどうか、ま、こういったところが一つ議論の焦点になっています。ま、ただですね、まあ先ほど冒頭で申し上げ--言った通り、えー、今大会が盛り上がっていて、で、しかも、えー、こういうことはあまり言いたくないと僕も言ったんですけど、まあ大会中はやはりこういう話っていうのは聞きたくないですし、それは、す--えーと、出場している関係者、選手だったり、関係者もそうですし、見ているファンの人たちもこういう話っていうのはできることなら聞きたくないと。
スタジアムに来て九十分間何も考えずにサッカーをただ楽しみたいっていうことは、これはインファンティーノ会長の言葉ですけど、ま、彼はそのことをよくわかっているんですね。そういった点を踏まえると、やはり、えー、こういった、あー、FIFAの、まあちょっと暗部というか、あー、ダークサイドな側面っていうのは、やはり大会が始まると忘れ去られ、また四年経ったら大会の直前ぐらいにまたちょっと取り沙汰されて、また始まって忘れられてっていうサイクルが、あー、どんどん繰り返されていくということになることは、まあ、おおよそ簡単に予測がつきます。ま、なのでこの話っていうのも、まあ向こう四年間おそらく忘れ去られるとは思いますが、あー、また、あー、その話っていうのが再度出てきた時に、えー、問題にならないのかどうか、ま、問題にはおそらく大きな問題にはほとんどならないとは思うんですけれども、ま、ただそうは言っても、二千十五年にやはりFIFAは、あー、大規模な汚職によって信用を失ったという過去は一応あるにはあるので、えー、そういった時に、おこ--それを改善しようと思った制度改革っていうのが、今どんどん骨抜きにされようとしているという意味では、あー、またこの楽しいワールドカップ、盛り上がりたいワールドカップに、えー、FIFA自身が水を差す結果にならないのかどうかというところが、あー、一番の、おー、個人的な懸念ではあります。はい。ということで、今週はちょっと短く、うー、FIFAの、おー、今の会長の話というのをお届けしてきました。来週以降、おそらく、うー、このニュース解説がリニューアルされてお届けされるようになるかなとは思っているので、えー、楽しみにお待ちください。それじゃあ皆さま、今週もお疲れ様でした。