なぜ欧米で熱帯病が広がっているのか?デング熱の患者数、過去最悪レベルに

公開日 2024年01月26日 20:13,

更新日 2024年01月26日 20:13,

有料記事 / 災害・気象 / 科学

この記事のまとめ
💡 欧米で、デング熱などの熱帯病が流行

⏩ 世界のデング熱患者数、過去最悪水準に
⏩ 気候変動でウィルスを媒介する蚊の生息域が拡大・洪水で蚊が繁殖しやすい環境も
⏩ 危険なマラリア、流行のおそれは低い

世界的に、熱帯病の流行が深刻になっている。

熱帯病(tropical diseases)とは、主に熱帯地域で流行する感染症で、マラリアなどがよく知られている。一方、世界的な知名度は低いものの、医療インフラが十分に整っていない熱帯地域で深刻な問題となっている感染症も数多くある。こうした熱帯病は、歴史的に国際社会の関心が低かった経緯を踏まえて「顧みられない熱帯病」(Neglected Tropical Diseases:NTDs)とも呼ばれている。

しかし近年、ヨーロッパや北米でも熱帯病が "顧みざるを得ない" 存在となりつつある。なかでも、欧米で感染が広がっているのがデング熱だ。

デング熱は、デングウィルスを宿した蚊に刺されることで感染する疾患で、発症すると高熱が出る他、稀ではあるものの重症化すれば死に至ることもある。日本でも、2014年に都内の代々木公園で蚊に刺された人が相次いでデング熱に感染し、大きな話題となった。

日本では2019年を最後に、海外渡航歴のないデング熱患者は確認されていないが、欧米では2023年だけでも数十人規模でデング熱患者が確認されている。これまでに、イタリアでは82人、フランスでも43人がデング熱に感染しており、米・カリフォルニア州でも初めて海外渡航歴のないデング熱患者が確認されている。世界的にも、2023年のデング熱患者数は過去最大を更新する勢いを見せている

では一体、なぜ欧米各国でも熱帯病が流行するようになっているのか。そして今後、日本などでも熱帯病の流行は広がるのだろうか。

なぜ欧米で熱帯病が広がっているのか

欧米で、デング熱をはじめとする熱帯病の感染が広がっている大きな背景として指摘されているのが、ウィルスを媒介する蚊の生息域が拡大していることだ。

気温上昇で蚊の生息域が拡大

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✍🏻 著者
シニアリサーチャー
北海道大学大学院農学院所属。専門は農業政策の歴史・決定過程。関心領域は食料・農業政策、環境政策など。一橋大学法学部卒。
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