OpenAI Co-Founder & CEO Sam Altman(TechCrunch, CC BY 2.0 DEED) , Illustration by The HEADLINE

なぜ OpenAI の安全性をめぐり懸念?安全重視のカルチャーがドミノ倒しに解体

公開日 2024年05月20日 22:37,

更新日 2024年05月20日 22:38,

有料記事 / AI

この記事のまとめ
💡OpenAI、安全性研究の主要メンバー退職でなぜ懸念?

⏩ ドミノ倒しに進んでいた安全性重視のカルチャー、解体か
⏩ 元従業員を沈黙させる、厳しい契約条件も露呈
⏩ 全人類への利益を謳う使命にも疑義

2024年5月14日(現地時間)、OpenAI 共同創業者で主任研究員だったイリヤ・サツケヴァー氏が同社を去った。同氏は、2023年7月に OpenAI 内部に結成されたスーパーアライメント・チームで、高度な AI システムの安全確保に注力する研究を率いていた。

そして、同じくスーパーアライメント・チームを率いていたヤン・ライケ氏も退職を発表している

当初、サツケヴァー氏もライケ氏も、退職した理由の多くを語っていなかった。サツケヴァー氏は「OpenAI が安全かつ有益な AGI を構築すると信じています」としたうえで「次に何が起こるか楽しみにしています」という非常に典型的なメッセージを寄せた

ライケ氏に至っては、「辞職しました」とだけ言い残した。2人が多くを語らない理由については、明確な理由があると示唆されている(詳細は後述)。

今回、人間の知性を超える AI の安全性確保に注力するチームが事実上解散されたとあって、懸念が広がっている。ただ、後述するように、OpenAI の安全性に関する懸念については、昨日今日始まった話ではなく徐々に進行していた

なぜ現在、OpenAI をめぐって懸念が噴出するに至っているのだろうか。

何が起きていたのか

OpenAI の安全性に関わるチームは突如として解散したわけではなく、徐々にその解体は進んでいた。内部事情に詳しい関係者は、その過程を「ドミノ倒しのよう」と語っている

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✍🏻 著者
シニアリサーチャー
早稲田大学政治学研究科修士課程修了。関心領域は、政治哲学・西洋政治思想史・倫理学など。
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