white concrete building during night time(Aron Yigin, Unsplash) , Illustration by The HEADLINE

「ガソリン減税」は実現するのか?政府、トリガー条項凍結解除を検討へ

公開日 2023年11月29日 18:10,

更新日 2023年11月29日 18:35,

有料記事 / 国内 / 経済

この記事のまとめ
💡首相、ガソリン減税の検討を指示 = 背景に高騰続くガソリン価格

⏩ 2年間続いた補助金政策では、4兆円以上を投入
⏩ 新たに注目は「トリガー条項」の凍結解除。これによりガソリン減税が実現、検討開始へ
⏩ ただし地方税収の減少などトリガー条項には課題も

11月22日、岸田首相はガソリン税の一時的な引き下げ措置などについて検討と協議を進めるよう、自民党の萩生田光一政調会長に指示した

ガソリン減税をめぐり焦点となっているのが、いわゆる「トリガー条項の凍結解除」だ。現在、ガソリンには1Lあたり53.9円のガソリン税(*1)が課されているが、租税特別措置法には、ガソリン価格の高騰が長期化した場合に、この税率を一時的に1Lあたり28.7円まで引き下げる条項が設けられており、これがトリガー条項だ。同法によれば、このトリガー条項は、3ヶ月連続で全国平均のガソリン小売価格が1Lあたり160円を超えた場合に発動される。

一方、足下のレギュラーガソリンの価格推移を見ると、ロシアによるウクライナ侵略や、産油国であるサウジアラビアによる原油減産を受けて、すでに160円を大きく超える形で高騰が続いている。

全国平均レギュラーガソリン価格の推移(経済産業省石油製品価格調査における各月第1週の価格から作成)
全国平均レギュラーガソリン価格の推移(経済産業省石油製品価格調査における各月第1週の価格から作成)

しかし、それにもかかわらずトリガー条項は発動されていない。なぜなら、東日本大震災の復興対策として2011年以来、トリガー条項発動は“凍結”されているためだ。

そこで、岸田政権はこれまで、ガソリン代などの燃料費高騰を抑制するための大規模な補助金政策を展開してきた。これまでに投じられた補助金の総額は、約4兆円に達する

一方、莫大な補助金を投じてもなお、ガソリン価格の高騰は収まっていない。長引く燃料費高騰を受けて、物価高を理由とするトラック運送会社などの倒産件数は、2023年1月〜9月だけで2021年の年間件数の8倍の水準にまで増加している

価格高騰が収束する先行きの見えないなか、財政支出を膨らませる補助金政策への批判は強まっている。そこで、岸田首相がついに検討開始を指示したのが、トリガー条項の凍結解除によるガソリン減税の実施だ。

では、果たしてガソリン減税は実現するのか、その見通しを探っていこう。

(*1)揮発油税と地方揮発油税を含めた総称

トリガー条項とは何か

まずは、ガソリン減税の“引き金”となるトリガー条項について、その内容を簡単に確認しておこう。

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✍🏻 著者
シニアリサーチャー
北海道大学大学院農学院所属。専門は農業政策の歴史・決定過程。関心領域は食料・農業政策、環境政策など。一橋大学法学部卒。
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