・利用ハードルの低さなどから、クレジットカードの代替として普及しつつある。
・過剰利用などの問題点が浮かび上がり、各国で規制強化が進んでいる。
ここ2〜3年で飛躍的な成長を遂げている、BNPL市場。この先5年も、年平均36.9%で成長を続けると見込まれている。国内でも、メガバンクの三菱UFJ銀行がスタートアップ企業のカンムを連結子会社化したと発表し、後払い決済サービスへの注目度が高まった。
BNPLは文字どおり「Buy Now Pay Later=今買って後で支払う」サービスのことで、いわゆる後払い方式を指す。後払い自体は目新しいことではないにもかかわらず、一体なぜ今BNPLが話題になっているのだろうか?
BNPLの概要
BNPLは欧米のフィンテック企業を中心に、2020年頃から勢いを見せはじめ、日本でも大手ECサイトなどがサービスの導入を進めている。BNPL市場はどれくらい成長しているのだろうか?海外・日本それぞれの代表的なサービスとあわせて見ていこう。
BNPL市場の拡大
米消費者金融保護局(CFPB)のレポートによると、大手5社(*1)のBNPLサービスは、この2年で245%成長。2019年には20億ドル(約2,660億円)だった合計融資額が、2021年には242億ドル(約3兆2,186億円)まで膨れ上がった。
日本においても、2017年度以降、BNPL市場は年平均20%の伸びを見せている。矢野経済研究所の調査によれば、2017年に取引高ベースで4,400億円だった市場規模は、2021年には1兆円を超え、このままいけば2025年には1.9兆円になると予測されている。
(*1)Affirm Holdings社(アメリカ), Afterpay Limited社(オーストラリア), Klarna Bank AB社(スウェーデン), PayPal Holdings社(アメリカ), Zip社(オーストラリア)
海外の代表的な企業
BNPL市場の中心となっているのは、欧米のフィンテック企業だ。代表的な企業は、以下の3社となっている。