⏩金銭リターンを期待
⏩ESGにポジティブなインパクトの創出
⏩インパクトは計測可能
という3要素。
今後は、
⏩規制や定義が確立していない
⏩市場への若年層の取り込み
が課題に。
インパクト投資という言葉を耳にする機会が多くなってきた。金融業界ではすでに、環境・社会・ガバナンスへの配慮を重視する、ESG投資の存在感が高まっている。インパクト投資もESG投資の一部ではあるものの、従来の一般的なESG投資に比べると異質な存在だ。
ESG投資でありながら「いわゆるESG投資」とは異なる。その立ち位置の複雑さゆえに、インパクト投資をめぐっては、理解の混同が生じやすい。
また、インパクト投資はいまだ定義が定まっておらず「インパクト投資」というバズワードが無秩序に拡散されることへの懸念も大きい。
では、インパクト投資とは一体どのような特徴を持つのか。そして、なぜ注目を集めているのか。インパクト投資の基本を整理してみたい。
インパクト投資とは何か?
インパクト投資は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮した投資手法の1つだ。
だが、従来のESG投資とは異なる性質を持つ。インパクト投資は「金銭リターンと同時に、ポジティブかつ測定可能な社会的・環境的なインパクトの創出を意図する投資」と定義される。
この定義には大きく3つの重要な要素が含まれている。
1つ目は、金銭リターンを前提とすること。2つ目は、社会的・環境的にポジティブなインパクトの創出を目的とすること。そして3つ目は、そのインパクトが測定可能であることだ。特に、従来のESG投資との違いを考える上で重要なのは、2つ目と3つ目のポイントだ。