💡政府は「発生確率が今後40年以内で90%」と試算
一方で、専門家からはこの試算値の信頼性を問う声も
💡建物・人的被害は最大で東日本大震災の10倍以上と推定
被害の中心は津波で、原発への影響も懸念
2万人以上が死者・行方不明者となった東日本大震災から12年が経った。東日本大震災と同様に、津波による甚大な被害が懸念されているのが、南海トラフ地震だ。
南海トラフ地震では、最悪の場合、死者数は20万人以上に上るとされ、津波による原子力発電所への影響も懸念されている。
南海トラフにおける大規模地震について、政府は発生確率を今後40年以内で90%と試算する。だが、南海トラフにおける大規模地震の発生確率については、その試算根拠を疑問視する声もある。
では、南海トラフ地震が近い将来に起きる可能性は一体どの程度なのか?そして、具体的にはどのような被害が想定されているのだろうか。
南海トラフ地震とは何か?
南海トラフとは、静岡県の駿河湾から宮崎県の沖合・日向灘沖にかけて広がる海底の溝だ。ここでは、フィリピン海プレートが大陸側のユーラシアプレートの下に潜り込んでおり、今も年間数cmほどの速度で沈み込みが進んでいる。
この沈み込みによって、ユーラシアプレートは下方向へ引きずりこまれ”ひずみ”が蓄積している。このひずみが限界に達すると、ユーラシアプレートは上方向に跳ね上がる。それによって発生するのが南海トラフ地震だ。
日本周辺のプレートとその関係(気象庁HPより, CC BY 4.0)
繰り返される南海トラフ地震
南海トラフでは歴史上、地震が繰り返し発生している。