⏩ 営業は大都市圏でタクシー不足の時間のみ可能、Uber などは参入できず
⏩ 地方都市からは規制緩和を求める声
⏩ タクシー業界は2種免許の規制緩和が最優先と主張
⏩ 小泉進次郎ら年内に結論を提言も、政府は期限設けず検討
2024年5月29日、自民党の小泉進次郎議員ら超党派の勉強会は、ライドシェアの法整備と制度のあり方について、年内に結論を出すよう政府に提言した。小泉議員は「最終的には岸田総理の判断」としつつ、全国で早急にライドシェアの導入を進めるよう求めている。
ライドシェアとは、タクシードライバーではない「一般ドライバー」が「自家用車」によって乗客に移動サービスを提供することを意味する。日本では一般ドライバーによるサービスの提供は、いわゆる「白タク行為」に該当するため、原則として違法とされている。
しかし、インバウンド需要が本格的な回復を見せるなか、タクシー不足は社会問題化している。たとえば、秋の観光シーズンにおける京都では、配車アプリ上のマッチング率が常時、20%前後で推移しているとも指摘されてきた。そうした事態を受けた政府は4月、ついにタクシーに代わる移動手段としてライドシェアの部分導入に踏み切った。
Uber(ウーバー) や DiDi(ディディ)といった配車プラットフォーマーの台頭を背景に、世界のライドシェア市場は2030年までに2,850億ドル(約43兆円)規模に達するとも試算されている。しかし、2024年4月にスタートした「日本版ライドシェア」では、Uber をはじめとするプラットフォーマーの参入が原則として認められていない。
だが、政府は日本版ライドシェアに参入できる事業者を拡大する方向で検討を進めており、日本でも規制緩和が進む可能性に注目が集まっている。ライドシェア事業を手がけるスタートアップも注目を集めつつあり、2024年1月に創業した newmo はこれまでに20億円の資金調達に成功している。
では、そもそも日本版ライドシェアとは一体何なのか。そして、今後日本でも海外並みのライドシェアサービスが普及する可能性はあるのだろうか。
日本版ライドシェアとは何か
2024年4月に解禁された日本版ライドシェアとは一体どのようなものなのか。
まず確認すべきは、日本版ライドシェアが解禁された後も依然として「白タク行為」は法律で禁止されていることだ