なぜレバノンで緊張が高まっているのか?長引く経済危機と不安定な政治体制

公開日 2021年12月02日 17:47,

更新日 2021年12月02日 17:57,

有料記事 / 政治・国際関係

中東・レバノンの首都ベイルートで10月14日、昨年の大規模爆発事故捜査に対する抗議デモで参加者を狙った発砲があり、銃撃戦へと発展した。死傷者は少なくとも38人にのぼり、これは近年のレバノンにおける最悪の暴力事件となった。

デモを主催したイスラーム教シーア派組織「ヒズボラ」(Hezbollah)は、対立するキリスト教系政党の「レバノン軍団」(Lebanese Forces)が発砲したと非難しているが、同団体は関与を否定している。

爆発事故から1年以上が経過した今、その捜査をめぐって緊張が高まっているのはなぜだろうか?

捜査担当判事への批判

緊張の背景にあるのは、爆発事故の担当判事めぐる対立だ。

捜査を担当するタレク・ビタル判事は、当時首相であったハッサン・ディアブを含む政治家や港湾当局幹部の責任を追求しようとしていた。というのも、事故原因は危険な状態で放置された硝酸アンモニウムの発火であり、当時の政府や港湾当局はその管理体制の改善や安全性確保を怠ったとされているためだ。

政治的な偏り?

続きを読む

この続き: 2,551文字 / 画像0枚

この記事を読むためには、月額980円のメンバーシップに参加するか単体購入が必要です。10日間の無料トライアルで、いますぐ読むことができます。

いますぐ無料トライアル

メンバーシップに関するご質問、決済や支払い方法などについては、「よくある質問」をご覧ください。

著者
リサーチャー
The HEADLINEリサーチャー。国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科卒業(政治学専攻)。関心領域は、平等論やホームレス問題など。
最新情報を受け取る

ニュースレターやTwitterをチェックして、最新の記事やニュースを受け取ってください。

おすすめの記事