10月から多くの商品が値上がりしている。2022年は既にさまざまな分野の商品の価格が引き上げられているが、この秋に更なる「値上げラッシュ」が起きたことが報じられた。
中でも様々な商品の値上げが敢行されているのが、飲食料品だ。帝国データバンクの調べでは、食品値上げ品目数は8月の約2400品目から10月の約6300品目と急増している。また、食品以外にも建築資材や衣料品で値上げが発表されており、経済的な影響が懸念されている。
なぜ値上がりが10月に集中しているのか?そして、どのような品目がどの程度値上がりするのだろうか?
価格高騰の背景と、代表的な値上げ品目を見ていこう。
値上げラッシュの背景
今年相次いでいる値上げの主な原因として、昨年からの原材料価格の高騰、2月からのロシアによるウクライナ侵攻およびその長期化、そして夏以降の急激な円安の3つを挙げることができる。
原材料価格の高騰
2021年から食料、原油、木材などの国際的な価格は上昇していた。異常気象による供給不足や、世界経済のコロナ禍からの回復による急激な需要増が原因だ。その結果、今年2月の時点で日銀の算出する輸入物価指数は、前年同月から34%上昇していた。
このような原材料価格の高騰が原因となり、すでに昨年秋から食料品や光熱費の値上がりが進んでいた。
ロシアのウクライナ侵攻
今年2月にはロシアによるウクライナ侵攻が始まり、原油や食料品の価格高騰に拍車をかけた。
例えばウクライナが主要な輸出国だった小麦や食用油は、供給への不安から価格が跳ね上がった。そのためそれらを原材料とする食品もあおりを受けた。
またロシアからの原油供給の減少が懸念されて、原油価格の高騰も加速した。その結果、資材包装費や物流費が上がり、さまざまな品目に価格上昇圧力がかかった。物流費の上昇には、ロシアによる領空の飛行禁止措置の影響もある。
円安の影響
価格高騰の流れをさらに激化させたのは、6月以降の急激な円安である。ドル高円安傾向はその後もとどまることなく、10月12日には1ドル=146円台まで値下がり、1998年8月以来となる24年ぶりの安値を記録した。
円安は原材料の輸入コストをさらに押し上げ、飲食料品メーカーや石油製品メーカーに打撃を与えている。
長引く円安傾向は、この10月に至ってさまざまな製品の価格に反映され始めた。今年度下半期のスタートを機に、値上げに踏み切る企業が続出したからだ。
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飲食料品
ここからは、10月以降の値上げが発表されている主要な商品を見ていこう。