中国、失踪した著名ウイグル族学者が終身刑 = 2017年から拘束、秘密裁判で決定
公開日 2023年09月28日 14:24,
更新日 2025年02月14日 16:24

ウイグル族の文化や宗教、民族などに関する世界的な研究者である、新疆大学のラヒレ・ダウット(Rahile Dawut)教授が、国家の安全を危険にさらした罪(国家分離主義)によって終身刑となった。中国の人権問題に取り組む非営利団体 Dui Hua (对话)が、現地時間21日に明らかにした。
ダウット教授は2017年に失踪しており、新疆ウイグル自治区における広範な人権侵害の一環として、中国当局によって拘束されたとみられていた。
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拘束から判決までのプロセスは、すべて秘密裏におこわれており、同国の不透明な司法プロセスは「秘密主義自体が、通常の司法手続きではないことを示している」と批判を浴びている。同自治区では、少数民族の文化やアイデンティティが幅広く弾圧対象となっており、その中には著名な知識人も含まれる。2014年には、ウイグル族出身の著名な経済学者である、中央民族大学のイリハム・トフティ教授が終身刑を受けた。
ダウット教授は、北京師範大学で博士号を取得した初めてのウイグル族女性であり、新疆大学少数民族研究センターを設立し、フィールドワークを通じたウイグル族の研究で知られる。長年、中国共産党とも一定の関係を築いており、中国文化省などからは受賞や研究助成金も受けていた。2021年には、日本ウイグル協会が自民党人権外交プロジェクトチームを通じて、同教授の安否確認を求める要望を出していた。
人権団体 Human Rights Watch によれば、2017年以来、新疆ウイグル自治区では54万人以上が起訴されており、同国の有罪率は99.9%であることから、その殆どが有罪判決を受けていると見られる。
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