⏩ 大手 VC が国益にかなう企業への投資を明言
⏩ SaaS の飽和や安全保障リスク、AI の進化が「ルネサンス」を後押し
⏩ 政府との協調や規制の動向が今後の論点に
大手スタートアップアクセラレータ・Y Combinator(YC)は2月14日(現地時間)、資金を提供したいと考えている領域のリストを公表した。リストでは、AI や医療技術、気候変動対策のテクノロジーなどが言及された一方、宇宙、製造、防衛といったハードテックにもスポットライトが当たっている。
YC は自動運転の Cruise などを支援してきたが、全体的に見れば、フィンテックなどの分野を中心に画期的なソフトウェア・スタートアップを支援してきたことで知られる。
2月22日には、ハードテック・スタートアップの起業家アーロン・スロドフ氏によって「テクノ産業主義宣言」(A Techno-Industrialist Manifesto)という文章が公開され、「テクノロジーと製造の融合は、我が国が探し求めている救いとなる可能性があります」(太字は引用者による、以下同様)と謳われている。これは、著名 VC・Andreessen Horowitz(a16z)のマーク・アンドリーセン氏による「テクノオプティミスト宣言」をもじったものだろう。
宇宙や防衛、製造といった分野は、ソフトウェア事業に比べて初期投資の比重が大きく、リターンを出せるまでに時間がかかるため、 VC からは敬遠されてきた。それにもかかわらず、後述するような a16z や Sequoia といった大手 VC がこの領域に手を伸ばし始めている。
なぜ米国では現在、ハードテックが脚光を浴びているのだろうか?
ハードテックのルネサンス
現在、テック業界ではソフトウェア開発を手がける企業のみならず、ハードテック(宇宙や製造、防衛などの分野におけるテクノロジー)を手がける企業にスポットライトが当たっており、「ルネサンスが加速している」とも評される。
前述した YC の他に、a16z もアメリカン・ダイナミズムを掲げ、国益をサポートする創業者や企業に投資する動きを積極的に進めている。