⏩ 司法省はGoogleが違法にデフォルト検索エンジンの地位を確立したと主張
⏩ Microsoftら競合も、司法省を後押しする証言
⏩ Googleは自社サービスが優れているだけと反論
⏩ 業界の構図変化や政治的な余波が論点に
2023年9月12日(現地時間)、米・司法省が Google を反トラスト法違反で訴えた裁判が開始した。これは、25年前に政府が Microsoft を訴えて以来、最大の反トラスト法訴訟とされており、その行く末に注目が集まっている。
司法省は1年以上にわたって Google の事業を調査した後、2020年末に訴訟を提起していた。なお、今回の裁判は主に Google の検索事業に焦点を当てており、2023年初頭に同じく司法省が起こした Google の広告事業に焦点を当てた訴訟とは別のものだ。
Microsoft のサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEO など、テック業界の大物も証言台に立つ。彼らは法廷で何を語ったのだろうか。そして、検索市場の絶対王者に対する司法省からの挑戦は、何を示唆しているのだろうか。
何が問題視されているのか
前提として、反トラスト法では、独占そのものが違法なのではなく、不当な競争によって獲得された独占的な支配である場合にのみ、それが問題視される。
すなわち、問題なのは、Google が米国の検索エンジン市場で約90%のシェアを占めているという事実(下図)ではなく、Google が覇者になった理由あるいは方法とされている。
米国の検索エンジン市場シェア(Statcounter, CC BY-SA 3.0 DEED)
司法省によれば、その答えは優れた製品のおかげではなく、違法に資金を使って競合他社を市場から排除してきたためだ。