⏩しかし長期的には深刻な不漁
⏩背景にはサンマ漁場の沖合化
⏩台湾などとの漁獲競争も激化
⏩サンマ自体の減少も深刻に
秋の味覚・サンマの「豊漁」が伝えられている。
サンマの漁獲量は近年、“低空飛行”を続けており、昨年の漁獲量は史上最低を更新した。漁解禁前の7月時点では、今年も昨年と同水準の漁獲量になることが見込まれていたが、現在のところ、サンマの水揚げ量は予想に反して好調だ。日本屈指のサンマ水揚げ量を誇る宮城県・気仙沼漁港での水揚げ量は昨年の2倍のペースと伝えられており、東京都・豊洲市場への入荷量も昨年の倍ほどと報じられている。
しかし、各種データなどをよく見ると、今年のサンマ漁が本当に「豊漁」と言っていいのかには若干の疑問が残る。というのも、たしかに昨年との比較でいえば今年の水揚げ量が多いことは間違いないが、より長期スパンで比較してみると、その数字は相変わらず深刻な低水準にあるためだ。
では、サンマはどれほど獲れなくなっているのか。そして、その理由は一体なぜなのか。
本当に「豊漁」なのか?
長期スパンで見ると、サンマ漁獲量の低迷は深刻だ。