Threads、引き続き成長に苦戦 = 最新データが示唆、驚異的なスタートから急落

公開日 2023年09月27日 10:10,

更新日 2023年09月27日 11:24

Meta(Facebook)による X(Twitter)のライバル製品である Threads は、好調な立ち上げを見せたが、その後大いに苦戦している。米・CNBC が現地時間26日に報じた Insider Intelligence の予想によれば、2023年に同製品の米国におけるユーザー数は2,370万人に留まる。これは、1億7,790万人の Facebook や 1億3,520万人 の Instagram に大きく及ばず、X の予想ユーザー数である5,610万人の半分に留まるという。

同じくこの予測を報じた米新興メディア The Verge は、Threads が新規ユーザーを獲得し続けるためには、現在の「コア機能以上の機能追加が必要になる」だろうと指摘する。

▼ 関連記事
新興ソーシャルメディア Threads、ユーザー急増も…なぜ停滞?

今回の報道は、驚異的なスタートを切った Threads が、ユーザーのエンゲージメント獲得に苦戦していることを示す、最新のデータだ。

今年7月にリリースされた Threads は、イーロン・マスク氏によって買収された X をめぐる混乱に乗じて、わずか5日で1億ユーザーを獲得した。その急成長は、Instagram との密接な結び付きによって実現したが、同社のマーク・ザッカーバーグCEO は喜びを隠さなかった

▼ 関連記事
Twitterはどのように変化し、今後どんな課題への直面が予想されるか?

しかし8月に入ると、その停滞が目立ち始めた。データ分析企業 Sensor Tower によれば、同製品のデイリーアクティブユーザー(DAU)数や滞在時間、セッション数は、ピーク時に比べて75%以上もの大幅減に直面しており、その驚異的なスタートと急落を「ジェットコースター」と称した。同じく Similarweb の調査でも同様の傾向が明らかになっており、7月頭に4,930万人に達した DAU が、1ヶ月後には1,030 万人まで減少したという。

Insider Intelligence の主席アナリストであるジャスミン・エンバーグ氏は、Threads がわずか半年で2,000万人以上の月間ユーザー数を抱えていることは「印象的だ」としつつ、現時点では「Threads が X に取って代わることがないことは明らか」だと述べる

Threads と X をめぐる勝負の行方や要因について、現時点では誰も分からない。Threads はリリース直後にケイティ・ペリーやビル・ゲイツ、セレーナ・ゴメスなどの著名人を獲得したが、彼らのエンゲージメントは低下している。こうした「パワーユーザー」を呼び込むことが重要だと考える人もいるし、Instagram のような画像・動画コミュニケーションに慣れたユーザーにとって、テキストベースのコミュニケーションは、相性が悪いと考える人もいる。TikTok のように、新しくユニークな体験が必要だと考える人もいる

ただし、いずれにしても Meta は現在の状況を悲観しているわけではない。Instagram のアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)CEO は、フィードのフォロー機能や編集ボタン、検索機能などの「明らかに欠けている機能」を追加すると宣言しており、そのことがユーザー獲得につながると考えている。また、Meta の財務状態は強固であり、ザッカーバーグCEO は Threads が十分なユーザー数を獲得するまで収益化を急ぐことはないとする。

▼ おすすめ記事
イーロン・マスクは、なぜユダヤ人団体に対立的な姿勢を取るのか?

Thubmnail : Viralyft on Unslash

🎀 おすすめの記事

なぜバイデン大統領は撤退したのか?年齢問題ありながら撤退しなかった理由、トランプ陣営の誤算も

有料記事 / 政治

2024年7月21日(現地時間)、アメリカのジョー・バイデン大統領が11月におこなわれる予定の大統領選挙から撤退することを表明した。自分の代わりとなる候補者として、副大統領のカマラ・ハリス氏を支持する···

パリオリンピックが批判される7つの理由=東京大会から続く「なじみ」の問題も

有料記事 / 国際

2024年7月26日(現地時間)、フランスでパリオリンピックが開幕し、8月28日からはパラリンピックも開催される(以下、パリ大会と総称)。大会期間中、フランス国内外合わせて230万から310万人がパリ···

戦争で AI はどう使われるのか?(3)今後議論するべき7つのポイント

有料記事 / テクノロジー

——(2)より続く米ソ冷戦の緊張が高まっていた1983年9月26日、ソ連の将校だったスタニスラフ・ペトロフは、ミサイル攻撃警戒システムが発した警告を誤りだと判断した。警報は、監視衛星が雲に反射した太陽···

戦争で AI はどう使われるのか?(2)AI で加速する「大量暗殺工場」の仕組み

有料記事 / 国際

——(1)より続く2022年に始まったロシア・ウクライナ戦争、そして2023年に始まったイスラエル・ハマス戦争それぞれにおいて、AI はすでに実戦投入されている。前編の記事では、シリコンバレーや世界情···

戦争で AI はどう使われるのか?(1)21世紀のオッペンハイマーによる戦争ビジネスの変化

有料記事 / 国際

AI のソフトウェアを制する国家が、次の世界の規範を決める。AI  は全人類の未来だ。この分野でリーダーとなる者は世界の支配者となるだろう。2つの文章をつなげて読んでも何の違和感もないが、それぞれ全く···

わたしたちについて

法人サポーターのお願い

👑 法人サポーター

🔥 いま読まれている記事

気象・災害情報

ライフライン

スポーツ

最新情報を受け取る

ニュースレターやTwitterをチェックして、最新の記事やニュースを受け取ってください。

メンバーシップで支援する

The HEADLINE は、有料メンバーシップの皆様からの支援で成り立っています。いますぐ無料トライアル(10日間、その後月額980円)に参加して、500本以上の解説記事をご覧ください。