⏩ 北極圏は「新たな安全保障フロンティア」、高まる重要性
⏩ レアアースなど資源確保や冷戦以前に遡る歴史的系譜も
⏩ 結局のところドンロー主義の一貫、ただし単なるイデオロギーとは言いづらい?
米国のドナルド・トランプ米大統領は今月9日、米国がグリーンランドを「所有」する必要があると述べた。地政学的な不安定性や欧州と米国の政治的対立などを懸念して、安全資産とされるゴールドは一時、史上最高値を更新している。
同大統領のグリーンランドへの「野心」は、これまでも繰り返されてきたが、南米・ベネズエラを攻撃して、同国のニコラス・マドゥロ大統領を拘束した経緯もあり、トランプ大統領がより大胆な行動に移ることを懸念する声も高まっている。
また共和党のインフルエンサーであるケイティ・ミラーは4日、グリーンランドが星条旗に覆われた画像を投稿し、議論を挑発している。同氏は、ベネズエラ政策で大きな役割を果たしたスティーブン・ミラー大統領顧問の妻であり、この投稿もグリーンランド問題の "真実味" を高める一因となっている。
トランプ大統領は、グリーンランド所有の理由を「ロシアと中国がグリーンランドを獲るのを防ぐため」と語るが、「ベネズエラの石油権益に続く、レアアース(希土類)が狙い」と説明するメディアもある。
ただしベネズエラ攻撃に際して説明したように、トランプ政権の行動原理を資源など単一要因で説明することは十分ではない。
トランプ大統領は22日、グリーンランドをめぐって対立が生じていた欧州と合意に達したことを明らかにして、北大西洋条約機構(NATO)との間でもグリーンランドや北極圏に関する「将来の合意の枠組みを構築」したと述べた。この結果、事態は一旦沈静化しているものの、合意の内容は不明なままであり、懸念が払拭されたとは言い難い。
なぜ、トランプ政権はグリーンランド所有を目指しているのだろうか。