元米軍情報将校、中国へ機密情報の提供を試みた容疑で起訴 = 相次ぐスパイ行為
公開日 2023年10月07日 07:11,
更新日 2023年10月07日 12:00
現地時間06日に公開された連邦裁判所文書によれば、元米陸軍情報将校のジョセフ・ダニエル・シュミット元三等軍曹が、起訴された。元軍曹は、陸軍での勤務を終えた後の2020年3月から香港に暮らしており、サンフランシスコ国際空港で拘束された。
シュミット元軍曹は、陸軍時代に中国への関心を明らかにしていたが、米軍に勤務していた2015年から2020年までの間で、中国に渡った記録は2017年のみだった。現役時代は、主に諜報活動に従事しており、最高レベルの機密情報にアクセスすることが可能だったという。
複数の報道によれば、シュミット元軍曹は動機など詳しい証言はおこなっていないものの、米軍に対する不信感などを明らかにしており、拘束された後も中国当局への情報提供を望んでいるとされる。また、過去に滞在していたトルコでは、中国に対する亡命方法などを調べていたことも明らかとなっている。
中国によるスパイ行為としては今年8月、米海軍の現役隊員2名が逮捕・起訴されている。この隊員らは、沖縄県にある米軍基地に関する情報を中国の情報機関に提供していた。また5月には、中国のハッカー集団が米国の重要インフラ機関に史上最大規模のスパイ活動をおこなっていたことも明らかとなっており、米中間の情報戦争が激しくなっている様子が示唆されている。
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