韓国憲政史上、初めての30代党首イ・ジュンソクとは誰か?大統領選にむけて旋風

公開日 2021年07月19日 18:21,

更新日 2021年07月19日 18:21,

有料記事 / 政治・国際関係

来年3月に大統領選挙を控えた韓国で、野党「国民の力」の党首イ・ジュンソク(李俊錫、이준석)が注目を集めている。韓国の主要政党としては憲政史上初となる30代での代表就任となり、ムン・ジェイン(文在寅)政権の支持率低下が続く中で、大統領選での政権交代にも自信をのぞかせているためだ。

いったいイ・ジュンソクとはどのような人物であり、なぜ若干36歳の党首に注目が集まっているのだろうか?

イ・ジュンソクとは誰か

イ・ジュンソクは、1985年生まれでソウル出身の政治家だ。2007年にハーバード大学を卒業した後、2011年からベンチャー企業を経営していたが、2016年頃から国会議員選挙に出馬するなど、本格的に政治家への転身を図った。


イ・ジュンソク(Facebook

続く2度の選挙でも落選しており国政選挙では敗北が続いたが、その知名度の高さなどから「国民の力」の党代表選挙で勝利を収めて、若干36歳で最大野党の党首となった。

高い知名度

イ・ジュンソクの知名度は、TV番組やソーシャルメディアでの影響力を通じて高まってきた。『The Genius - Season 1』や『学校に行ってきます!』などのバラエティ番組に10年近くに渡って継続的に出演してきた他、FacebookInstagramを通じて積極的に情報発信を続けてきた。

また、2012年にはムン・ジェイン大統領を斬首する風刺画をFacebookで公開して謝罪するなど、インターネット上で注目を集めるのも事欠かなかった。現在でも、産業技能要員として代替服務中(兵役の一環として産業の育成・発展のために研究や生産、製造などに従事すること)だった2010年、国のソフトウェア人材育成のためのプログラムに参加したことが問題視されており、良くも悪くも大衆からの注目を集める存在でもある。

パク・クネ前大統領との関係

このように高い知名度を誇るイ・ジュンソクが、政治の道へと本格的に足を踏み入れたのはパク・クネ(朴 槿恵)前大統領との関係からだった。国民基礎生活保障の受給者(日本の生活保護に該当)など教育機会が少ない中学生らに対して、質の高い教育を提供する非営利団体「学びを共有する人々」を運営していた2008年、大統領室室長から昼食会に招待され、前大統領と近い関係が生まれていく。

そのため「朴槿恵キッズ」と呼ばれ、2011年にはパク・クネからの推薦によってセヌリ党の非常対策委員の外部招聘委員となり、2014年には党改革のための革新委員長になるなど、同党の一員として政治活動に関与していた。ところが2017年、パク・クネが弾劾によって罷免されたことから、セヌリ党を脱退する議員によって結成された「正しい政党」に移り、その後は「国民の力」の前身である政党「未来統合党」のメンバーとなった。

「国民の力」での台頭

では、知名度が高いにもかかわらず、選挙では落選が続いて政治家としての経験もないイ・ジュンソクが、なぜ最大野党の指導者になることが出来たのだろうか? そのことを理解するためには、大韓民国の政治事情について簡単に整理しておく必要がある。

韓国は二大政党制であり、現在の与党はムン・ジェイン大統領を擁する「共に民主党」だ。同党はいわゆるリベラルの政治的立場を取っており、これに対抗するのが保守政党「国民の力」だ。

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著者
編集長
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。Abema TV『ABEMAヒルズ』、日テレ系『スッキリ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説をおこなう。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジア、テクノロジー時代の倫理と政治など。
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