Microsoft によるゲーム開発会社 Activision の巨額買収、なぜ阻止?

公開日 2022年12月22日 13:12,

更新日 2022年12月22日 13:12,

有料記事 / ビッグテック

Microsoft は12月、ゲームソフトウェア開発会社 Activision Blizzard(以下、Activision)の買収計画をめぐり、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴された。米連邦取引委員会(FTC)は提訴の理由として、同買収計画は Microsoft が市場において不当な優位性を獲得し、競争を抑制する恐れがあるためだとしている。

2022年1月に発表された今回の買収計画における Activision の買収額は約690億ドル(約9兆4,000億円)となっており、2016年の Linkedin 買収額の262億ドルを超えた過去最大のものとなる。

Microsoft はクラウドゲーム市場をリードする企業だ。同社は2021年、ソニーとともにクラウドゲーム市場全体の収益のほぼ4分の3を占めたとされている。自社クラウド Microsoft Azure を保有するなど、クラウドゲームのためのインフラを抱えており、こうした背景から同社の買収は、クラウドゲーム市場の競争環境に懸念をもたらしている。

なぜ Microsoft の買収は阻止されたのだろうか?今後のゲーム市場への影響としては何が考えられるだろうか?

買収計画と阻止の経緯

まず、今回の買収の経緯について見ていこう。

概要

Microsoft は2022年1月、「Call of Duty」等の人気タイトルを抱えるゲームソフトウェア開発会社 Activision の買収を発表した。

買収には「Call of Duty」「Candy Crush」「Overwatch」等のゲームタイトルが含まれる。特に「Call of Duty」は2021年時点で4億本の売り上げがあり、月間アクティブユーザーは810万人に上る人気タイトルだ。買収計画当初、これらの作品は Microsoft が展開するゲームプラットフォーム「Xbox Game Pass」に導入される予定だった。

Microsoft は近年、クラウドゲーミングサービスに積極投資している。同社はゲームプラットフォーム「Xbox Game Pass」を展開しており、会員数は約2,500万人に上る。今回の買収計画により、Activision の人気タイトルを支持するファンベースを獲得できることから、Microsoft はソニーや中国テクノロジー大手の Tencent(テンセント)に次ぐ世界第3位のゲーム会社となることが見込まれていた

米連邦取引委員会の阻止理由

FTC は、買収阻止の主な理由として以下の点を挙げている

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東京理科大学理学部物理学科卒業。関心領域は、量子技術全般・スタートアップ・テック産業・人材育成など。
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