能登半島地震に羽田空港事故と、新年から立て続けに心が痛むニュースが相次いでいる。悲しい出来事に人々もセンシティブになっているからか、X(旧Twitter)では、攻撃的なやり取りが増えたような気がする。
特に、政府やマスコミへの批判が、誤った根拠や思い込みに基づいて流布しているのを見ると、頭を抱えてしまう。たとえば以下は、能登半島地震に対して政府が拠出した予算について。予備費が40億円規模として、関西万博の費用と比較されているが、これはミスリードだ。
選挙コンサルタントの大濱﨑氏が述べているように、この40億円は緊急物資など現時点でおこなわれているプッシュ型支援にかかる費用だ。プッシュ型支援とは、被災地の要請を待たず、政府が必要と判断したものを送る支援方式で、現地のニーズに応えられるものの、物資到着まで時間がかかるプル型の課題から生まれた。
そして残念ながら、こうしたミスリードはマスコミにも見られ、たとえば日刊ゲンダイが「ウクライナ支援にはポンと6000億円出したのにショボすぎ」と述べている。
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同じく予算の多寡を不適切に批判するものとしては、羽田空港事故の渦中にある海上保安庁にも向けられている。