英国規制当局、Microsoft とアクティビジョン・ブリザードの合併を承認 = 世界最大規模のゲーム企業へ

公開日 2023年10月13日 15:29,

更新日 2023年10月13日 16:36

Microsoft が、Call of Duty などの人気タイトルを抱えるゲームソフトウェア開発会社 Activision Blizzard(以下、Activision)を687億ドル(約10兆円)で買収する。10月13日、英国の競争・市場庁(CMA)により承認された。

買収は Microsoft が2022年1月に発表したもので、ゲーム業界にとって過去最大の M&A と見込まれていた

▼関連記事
なぜゲーム会社の買収が相次いでいるのか?Microsoft、Activision Blizzardを巨額買収

しかし買収計画は壁にぶつかった。2022年12月、米・連邦取引委員会(FTC)から反トラスト法違反での疑いで提訴され、2023年4月には、英国におけるゲーム市場のイノベーションを妨げ、「ゲーマーたちの選択肢を減少させる」として、CMA から買収提案を阻止されていた。

Microsoft は当局の承認を得るため、契約を再構築した。具体的には、Microsoft が Activision のクラウドゲームの権利をフランスのゲーム大手 Ubisoft に売却するという、暫定的な決定を下したのだ。CMA は、Microsoft の譲歩を「成長するクラウドゲーム市場で競争を促進するゲームチェンジャー」とし、計画にゴーサインを出した。

今回の決定により、各国の規制当局から承認を得た形となり、世界最大規模のゲーム企業が誕生する。

▼関連記事
Microsoft によるゲーム開発会社 Activision の巨額買収、なぜ阻止?

Thumbnail : Surface laptops on a table, Surface, Unsplash

この記事に登場するキーワード

Microsoft

Microsoft(マイクロソフト)は、アメリカ合衆国ワシントン州に本社を置くソフトウェア開発・販売会社で、1975年にビル・ゲイツとポール・アレンによって創業された。主な製品にはパソコン用 OS のWindows、オフィスソフトの Microsoft Office、ウェブブラウザの Internet Explorer、家庭用ゲーム機のXbox、検索エンジンの Bing、クラウドサービスの Azure などがある。2023年09月時点での時価総額は、Apple に次いで世界2位である。

近年は、Open AI への巨額出資などにより AI 分野への投資を加速させている他、核融合など新たなテクノロジーにも注力している。

▼ 関連記事
なぜ Microsoft は、AI 競争で優位な位置にいると見られているのか?

▼ 関連記事
なぜ、Microsoft は核融合発電に賭けているのか?AI に続いて熱視線、新興企業 Helion と商業契約

Activision Blizzard

Activision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)は、アメリカのカリフォルニア州サンタモニカに本社を置くゲームソフトウェア開発会社。前身の Activision は2003年、現在まで続く大ヒットゲーム Call of Duty を発売している。2008年に Activision とフランスの Vivendi Games が合併して設立され、当時ゲームソフト業界で首位に躍り出ると、2011年、フィギュア連動ゲーム『スカイランダーズシリーズ』の展開を始め、大きな成功を収めた。2013年には親会社の Vivendi から独立している。

2021年、女性従業員への性的ハラスメントや、待遇の不平等が明るみになり訴訟に発展する。こうした問題を受け、Activision 側から提案する形で、2022年に Microsoft による買収が発表された。

🎀 おすすめの記事

Meta の詐欺広告問題、日本は「なめられている」のか?前澤氏・堀江氏ら批判

無料記事 / テクノロジー

Facebook や Instragram における詐欺広告をめぐり、運営元である Meta への批判が高まっている。特に問題となっているのは、著名人の顔写真などを利用した、なりすまし広告への対応だ。···

なぜイスラエルとイランは対立するのか?報復の誤算とパレスチナ情勢への影響とは

有料記事 / 国際

2024年4月19日(現地時間)、米・ABC News は、イスラエルがイランへの報復攻撃としてミサイルを発射したとする、アメリカ政府高官の話を報じた。イスラエルの The Jerusalem Pos···

共同親権をめぐってどのような議論がなされたのか?これまでの質疑・答弁を振り返る

無料記事 / 政治

2024年4月16日、離婚後の共同親権導入を柱とする民法改正案が衆議院で審議され、自民党・公明党・立憲民主党・日本維新の会・国民民主党・教育無償化を実現する会などの賛成多数で可決した。日本共産党・​​···

Xiaomi の新型 EV はなぜ注目されているのか?「iPhone登場と同じ衝撃」とも

有料記事 / テクノロジー

世界のスマートフォン市場で第3位のシェアを誇る中国・Xiaomi(シャオミ)が販売を開始した電気自動車(EV)・SU7 に大きな注目が集まっている。一部有識者が「iPhone 登場と同じ衝撃」とも表現···

グリーンハッシングとは何か?環境配慮を "あえてアピールしない" 理由は

有料記事 / ビジネス

企業の間で、グリーンハッシング(green hushing)と呼ばれる現象が広がっている。グリーンは「環境」、ハッシングは「黙らせる」をそれぞれ意味する言葉だ。企業が実態に見合わない環境への配慮をアピ···

わたしたちについて

法人サポーターのお願い

👑 法人サポーター

🔥 いま読まれている記事

気象・災害情報

ライフライン

スポーツ

最新情報を受け取る

ニュースレターやTwitterをチェックして、最新の記事やニュースを受け取ってください。

メンバーシップで支援する

The HEADLINE は、有料メンバーシップの皆様からの支援で成り立っています。いますぐ無料トライアル(10日間、その後月額980円)に参加して、500本以上の解説記事をご覧ください。