イランにおける抗議運動、なぜ拡大し続けているのか?

公開日 2022年12月07日 16:24,

更新日 2022年12月07日 16:24,

有料記事 / 国際 / ジェンダー / 人権

現在カタールで開催中のサッカー・ワールドカップで、21日のイングランド戦においてイラン代表選手たちは国家斉唱を拒否した。これはイラン(イラン・イスラム共和国)で現在も拡がり続けている「ヒジャブ着用」問題に端を発する、反政府抗議運動への連帯表明とされている。

この抗議運動が拡大する背景には、何があるのだろうか?

イランで何が起きているのか?

イランのデモは9月半ば、イラン人女性マフサ・アミニさん(22)が「不適切なヒジャブ着用」を理由に道徳警察によって逮捕され、その後死亡した事件に端を発する。当局は死因をアミニさんの基礎疾患によるものと説明しているが、遺族はアミニさんは健康だったとして、道徳警察による暴行が原因と主張している。

その後、10月から11月にかけてイラン全土にデモは飛び火。10月半ばには200人以上が死亡、11月には300人以上が死亡したとされるなど、事態の悪化が報じられていた。

事件から2ヵ月が経過した現在も抗議運動は続いており、治安当局による暴力的な鎮圧行動にも批判が集まっている。NGO団体 Iran Human Rights の発表によれば、治安部隊の弾圧によって少なくとも60人の子供を含む、448人が死亡している。また13日以降、すでに複数のデモ参加者に対して死刑判決が言い渡された。

運動は首都テヘランだけでなくイラン全土で発生しており、特に若年層を中心に幅広い世代がデモに参加している。参加者の主張・要求も道徳警察の是非や、ジェンダーを巡るものから、イスラム共和制転覆を求める声など多様である。 

4日には、イランの司法長官が服装規定の強制などをおこなっている道徳警察の解体を発表したが、事実関係は確認されておらず、混乱は続いている。

拡大の理由は?

今回の抗議運動が拡大した理由として、3つの背景的事情が挙げられる。

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✍🏻 著者
東京大学総合文化研究科博士課程
東京大学総合文化研究科博士課程。専門はフランスの哲学者ジル・ドゥルーズを中心に現代の哲学。関心領域は身体・物体論、管理社会論、映画からゲーム、youtubeなど現代メディアと芸術。
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