これまで起きた首相経験者・政治家への襲撃事件。安倍首相の祖父も

公開日 2022年07月08日 16:40,

更新日 2022年07月08日 20:01,

無料記事 / 政治・国際関係

安倍晋三元首相が7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説中に背後から撃たれ、救急搬送された。

ライブニュース:安倍元首相、演説中に銃撃 = 心肺停止状態

捜査関係者によると、男は奈良市大宮町3丁目の山上徹也容疑者(41)。殺人未遂の疑いで逮捕された山上容疑者は「安倍元首相に不満があり、殺そうと思って狙った」という趣旨の供述をしている。

銃撃事件を受け、岸田文雄首相は8日午後、官邸で記者団の取材に応じて「民主主義の根幹である選挙において、こうした卑劣な蛮行が行われた。決して許すことはできない」と涙をにじませながら語った。

他にも与野党問わず、政治関係者が銃撃を非難するコメントを残している。

近年の襲撃事件

近年、政治家が襲撃された例としては、2002年10月に民主党の石井紘基衆院議員(当時61歳)が東京都内の自宅前で右翼活動家に刃物で刺されて死亡した事件や、2007年4月に選挙運動中だった伊藤一長・長崎市長(当時61歳)がJR長崎駅近くの選挙事務所前で、暴力団幹部に拳銃で撃たれて、死亡した事件が知られている。

安倍首相の祖父も

また安倍晋三氏の祖父である岸信介首相は、1960年に首相官邸で右翼活動家に刺されて重傷を負っている。犯人は戦前、右翼団体・大化会に所属しており、「岸に反省をうながす意味でやった」と動機を語っている。

また同60年には、社会党の浅沼稲次郎委員長が17歳の少年に刺殺された。 他にも1992年には、自民党の金丸信副総裁が栃木県内で狙撃された他、1994年5月には細川護熙元首相が東京都内のホテルロビーで襲撃された。いずれも怪我はなかった。

戦前、首相経験者の襲撃事件

首相経験者が襲撃されて死亡した事件は、戦後に例がなく、戦前にまで遡る。

伊藤博文

明治42年(1909年)10月26日、明治時代に4度にわたって内閣総理大臣を務めた伊藤博文は、中国北東部のハルビン駅で、朝鮮半島の独立運動家・安重根に銃撃、暗殺された。

伊藤博文は初代韓国統監を務めており、安は伊藤を「大韓独立主権侵奪の元凶」とみなしていた。

原敬

大正10年(1921年)11月4日、第19代内閣総理大臣を務めていた原敬は、東京駅のホームで青年に襲撃され、刺殺された。

日本の憲政史上、現職の首相が暗殺された初めての例となっている。

浜口雄幸

昭和5年(1930年)年11月14日、第27代内閣総理大臣を務めていた浜口雄幸は、東京駅のホームを移動中に右翼団体の愛国社社員・佐郷屋留雄に至近距離から銃撃を受けた。

浜口は大手術の後に一命を取り留めたが、この時の傷が原因で翌年8月26日に死去している。

犯行の動機は「天皇の統帥権を犯した」というもので、濱口内閣がロンドン海軍軍縮条約に調印し、膨れ上がる軍事費を削減しようとする姿勢に反発した末の凶行だった。

犬養毅

第29代内閣総理大臣を務めていた犬養毅は、昭和7年(1932年)5月15日に起きた、五・一五事件で暗殺された。

海軍青年将校を中心としたクーデター事件で、武装した海軍の青年将校らが官邸に乱入し、犬養毅首相を射殺した。

高橋是清

第20代内閣総理大臣を務めた高橋是清(当時は大蔵大臣)は、昭和11年(1936年)2月26日に起きた二・二六事件で暗殺された。

武力による国内改革を企図した皇道派青年将校らが起こした事件で、首相官邸・警視庁なども襲撃され、陸軍省・参謀本部・国会・首相官邸などを含む永田町一帯が占拠された。

本記事は、ライセンスにもとづいた非営利目的、あるいは社会的意義・影響力の観点から無料で公開されているコンテンツです。良質なコンテンツをお届けするため、メンバーシップに参加しませんか?

いますぐ無料トライアル

または

メンバーシップについて知る
この記事の特集

安倍元首相銃撃事件

著者
シニア・エディター
早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社マイナースタジオの立ち上げに参画し、同社を売却。その後、The HEADLINEの立ち上げに従事。関心領域はテックと倫理、政治思想、東南アジアの政治経済。
編集長
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。日テレ系『スッキリ』月曜日コメンテーターの他、Abema TV『ABEMAヒルズ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説をおこなう。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジア、テクノロジー時代の倫理と政治など。わかりやすいニュース解説者として好評。
最新情報を受け取る

ニュースレターやTwitterをチェックして、最新の記事やニュースを受け取ってください。

関連するライブニュース

おすすめの記事

わたしたちについて

🔥 いま読まれている記事