Two RP2040 microcontrollers.(Vishnu Mohanan, Unsplash) , Illustration by The HEADLINE

米国、中国への AI チップの輸出規制を強化 = その理由は?

公開日 2023年10月21日 21:15,

更新日 2023年10月22日 20:32,

有料記事 / アジア / アメリカ(北米) / ビッグテック

この記事のまとめ
💡米国、中国への AI チップ輸出規制を強化

⏩ 中国からの気球やスパイ活動などで安全保障上の懸念が深まる
⏩ 昨年の規制に存在した「抜け穴」をふさぐ狙い
⏩ 規制は逆効果で中国を利するだけという声も

10月17日(現地時間)、米・商務省は中国に対する高度な AI チップの輸出規制を強化すると発表した。この強化は、2022年10月に導入された規制の「抜け穴」をふさぐものだという。

規制発表の日、半導体チップ大手の Nvidia の株価は4.7%下落した

今回の規制について、中国共産党系の機関紙 Global Times は「有害な戦略をでっち上げている」と非難し「米国企業の利益を損なうだけでなく、チップ産業における中国の進歩を制限することにも失敗する」と指摘した。

昨年から行われていた規制だが、なぜ米国はさらに強化する動きに乗り出したのだろうか。

規制の目的は安全保障

前提として、規制の主要な目的は、安全保障上の脅威になる中国の技術開発を遅らせることにある。規制は2022年10月からおこなわれているが、その際、米国当局は半導体チップが「大量破壊兵器を含む高度な軍事システムの製造」と「人権侵害」に使用されていると指摘した。

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✍🏻 著者
編集長 / 早稲田大学招聘講師
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。日テレ系『DayDay.』火曜日コメンテーターの他、『スッキリ』(月曜日)、Abema TV『ABEMAヒルズ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジアなど。
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