WeWork(Ariann Laurin, Unsplash) , Illustration by The HEADLINE

なぜ、WeWork は経営破綻したのか?孫正義氏の判断ミスも示唆

公開日 2023年11月09日 17:28,

更新日 2023年11月09日 17:28,

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この記事のまとめ
💡シェアオフィス大手 WeWork が経営破綻、理由と今後の影響は?

⏩ 2019年に絶頂期を迎えるも、上場延期で転落
⏩ CEO への疑問・パンデミック・金利上昇が悪化を助長
⏩ 出資者である孫正義も WeWork への投資は「人生最大の汚点」と後悔

2023年11月6日(現地時間)、シェアオフィス大手の WeWork は日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請したと発表し、経営破綻した

ニューヨークに本拠を置く同社は、2010年の創業以来、猛烈なペースで拠点を拡大させ、ピーク時には評価額470億ドル(約7兆円)にまで達していた。

ソフトバンクの孫正義会長の肝入りで、多額の支援を受けてきたスタートアップ業界の寵児は、どのようにして破綻へと至ったのだろうか。そして今回の破綻は、何を示唆しているのだろうか。

WeWork は「太陽に近づきすぎた」


WeWork の繁栄と衰退(Visual Capitalist

WeWork は2010年、アダム・ニューマン氏とミゲル・マッケルビー氏によって共同創業された。同社のビジネスモデルは、好立地の不動産オーナーからオフィスビルを借り、洗練されたデザインに改修した後で、フリーランスの労働者や企業に貸し出して収益を得るというものだ。

WeWork はコワーキングの代名詞となり、Uber や Airbnb とともにシェアリングエコノミーの波に乗った結果、2014年に10億ドル(約1,500億円)を超える評価額を獲得しユニコーンの仲間入りを果たす。


WeWork(ajay_suresh, CC BY 2.0 DEED

2017年、ソフトバンクグループ(SBG)からの投資が始まり、時価総額は2019年1月に470億ドル(約7兆円)に到達、新規株式公開(IPO)への期待が膨らんだ。

ところが、ここから事態は暗転する。

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✍🏻 著者
シニアリサーチャー
早稲田大学政治学研究科修士課程修了。関心領域は、政治哲学・西洋政治思想史・倫理学など。
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