・物価高やデータセンターの電気料金・水利用をめぐる不満が、党派を超えて広がっている。
・農村や労働者に根差す経済ポピュリズムが台頭し、激戦州での両党の戦いを左右する。
民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は10月、「私たちの問題は、左右というより上下にある」と演説した。場所は、ミシガン州アイアンマウンテン。トランプが、前回の大統領選で30ポイント超の差をつけて勝利した郡にある町だった(Cappelletti, 2026)。
今月3日(現地時間)におこなわれる米・中間選挙に向けて、この「上下」という訴えは、インフレや企業献金、AI規制をめぐる争点と結びついている。これまで共和党は、左派(民主党)が政治的正しさやマイノリティの問題などの「文化戦争」を仕掛けていると語ってきたが、いまやこのフレーム(枠組み)は時代遅れとなりつつあり、共和党こそが経済問題に対処できないエリート政党の烙印を押されつつある。
主要争点はインフレ
ピュー・リサーチ・センターが10月14日に公表した調査では、毎月の請求を全額支払えない成人は27%だった。この割合は高所得層では7%だが、中所得層では22%、低所得層では49%に達する。病気や失業などに備えた3カ月分の資金がない人も、高所得層の20%に対し、低所得層では77%だった。医療費や家賃などの支払いに困るか、フードバンクを利用した人は、低所得層の71%、高所得層の13%だった(Horowitz, 2026)。
成人5,062人を対象として同センターによる別の調査では、ガソリン・エネルギー価格を「非常に懸念」する人は74%、食品・消費財価格は73%、医療費は69%だった。株式市場の動向は21%にとどまる。食品価格への強い懸念は、民主党系で82%、共和党系でも62%に達した。
生活費への不安は、超党派でのアジェンダとなっている(Oliphant, 2026)。中東での戦争を引き起こしたトランプ政権は、いまやエネルギー価格の引き上げをもたらした元凶だとみなされている。
データセンター建設も新たな争点に
加えて登場しているのが、データセンターをめぐる新たな争点だ。企業の設備投資と地域住民の負担をめぐる議論は、今回の選挙の「思いがけない対立軸」となった(Goldmacher, 2026)。